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17/04/28●高齢がん患者に対する治療のガイドライン作成に着手。遅すぎる。

「政府は、高齢がん患者に対する抗がん剤治療の効果について大規模な調査に乗り出す方針を固めた」と、新聞各紙が書いている。はっきり言って、ここまで高齢化社会が進展したいまとなっては、あまりに遅すぎたと言えるだろう。

 この方針を決めるに先立って 国立がん研究センターは200708年に同センター中央病院で受診した約7000人のがん患者を対象にした予備調査を実施。がん種別(肺がん、胃がん、大腸がん、乳がんなど)に、抗がん剤治療を受ける患者と、痛みを緩和する目的での放射線治療などの緩和治療中心の患者に分け、それぞれどれくらいの期間存命したかという生存率を年齢別に比較した。

 その結果、75歳未満では「抗がん剤治療あり」の方が延命効果が高かったが、75歳以上では大きな差が出ないとの結果が出たという。

 私は以前から「75歳以上でがんが見つかったら手術はしないほうがいい」と提唱してきた。したがって、高齢になって抗がん剤などやるべきでないのは言うまでもない。抗がん剤と手術はほぼゼットだから、この結果にはうなずけるが、それでも「75歳未満で効果あり」としているのは何歳までのことを言うのだろうか?

 人間は60歳後半から急速に老化していく。そんななかで抗がん剤は免疫力を大きく低下させる「毒」でしかない。

 
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