[これが医者の世界]学閥、給料、待遇から見たセンセイたち
[これが医者の世界]学閥、給料、待遇から見たセンセイたち - 患者より賄賂によって薬選び |
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ページ 5 の 10 「病院経営がそんな悪いのに、なんで遊んでいる医者がいるんだ」と、いう声も聞こえてくる。これには、理由がある。 私に言わせると、いま、遊んでいる医者は、ほとんどが薬品メーカーなどの接待である。都会の大病院でも勤務医なら年収が1000万円を超えるのは、40歳以上になってからが普通である。だから、遊ぶとなれば、患者からの謝礼やメーカーからの接待に頼るしかないのだ。 たとえば、2000年に発覚した大阪の枚方市民病院の汚職事件を見れば、その接待がどんなものかわかる。この事件では前院長が逮捕され、枚方市では接待内容を公表せざるをえなくなった。それに伴い、社員が略式起訴され罰金命令が下った8社は、さまざまなペナルティが課せられたが、接待した会社数はじつは43社にも達していた。以下が主な社の接待内容である。 ●協和発酵工業……新幹線の切符代計30万円以上。院外勉強会。ゴルフ旅行 ●旭化成工業……ゴルフ旅行。忘年会協賛 ●大塚製薬……院外勉強会。ゴルフ旅行 ●塩野義製薬……ディナーショーチケット。食事会。院外勉強会。 ●持田製薬……現金。ディナーショーチケット。ゴルフ。院外勉強会 ●ファルマシア・アップジョン……現金 ●山之内製薬……商品券。院外勉強会 ●ウェルファイト……現金。ゴルフ。院外勉強会 こうした接待、いわゆる賄賂によって遊ぶ医者も馬鹿だが、もっとも馬鹿をみるのは患者である。薬品メーカーの接待の目的は、なんとかして自社の薬を売り込むことだから、当然接待が多いメーカーの薬ほど有利となる。つまり、医者は薬を患者のためという基準では選んでいないのである。 ただし、新薬の臨床試用に関して、患者の同意を求めて行うのは、問題のある行為ではない。それにより医学は進歩するし、病院もメーカー側から協力費が得られる。患者1人につき10万円の協力費を払うメーカーもあり、病院によっては「新薬の臨床に協力してくれる患者を見つけろ」と、院長自らが号令をかけるところもある。 ところが、承諾するのは、だいたいが老人患者で、家族は患者に対して愛着をもっていない。だから、臨床報告書を見ると、症例数のほとんどが60歳以上という笑えない例も多い。 |