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メタボなんか気にするな! 小太りでいこう
メタボなんか気にするな! 小太りでいこう - 多少のメタボの方が健康で長生き PDF 印刷
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メタボなんか気にするな! 小太りでいこう
多少のメタボの方が健康で長生き
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  多少のメタボの方が健康で長生き

 
 私はかつて、『「小太り」のすすめ』(光文社知恵の森文庫)という本を書いたことがある。 
 これは、お上の決めた「標準体重」など守る必要はないと訴えたもので、「小太り」の方が健康であると、これまでの健康常識を覆そうとしたものだった。

 というのは、痩せて抵抗力の弱った体ほど細菌に狙われやすいし、糖尿病患者のうち肥満者は4割に過ぎないというデータもあったからだ。つまり、無理してダイエットをするより、適度な運動をし、食事と酒を楽しめば、肥っていても健康だと言いたかったのである。

 実際、最近の厚生労働省研究班の多目的コホート研究では、男性はBMI23~26.9の人の死亡率が低い。また、大阪大大学院の磯博康教授らの10万人調査では、循環器疾患全体でいちばん危険度が低いのは、男性でBMI23~24.9、女性で25~26.9となっている。さらに、東京都老人総合研究所の調査によると、腹囲85cm前後、BMI23~25の人はむしろ死亡率がいちばん低くなっている。

 これは、日本ばかりではなく、アメリカのある調査でも、BMI25~29.9の「過体重」の人の寿命が最長となっている。

 ということは、多少メタボの方がずっと健康なのである。
つまり、メタボ健診と保健指導は、健康な人まである意味で病院送りにし、その結果、健診費や指導費などの医療費をかえって膨らませているのだ。これは、メタボ健診ばかりでなく、ほかの健診結果(数値)にも言えることだ。

 “本当は健康な病人”が大量生産される背景を考えてみると、2つの理由が浮かんでくる。1つめは、なにか異常なほどの「健康ブーム」だ。私は、この状態は行きすぎと考えている。もちろん、人間はいつも健康であることにこしたことはない。しかし、本当に健康な人とは、むしろ、ときどき風邪をひいたり、体調を崩したりするものだ。その方が自然であり、まったくなんの病気もしないなどということは、人間が機械でない以上ありえない。

 そして、第2の理由は、やはり医者のモラルの欠如だろう。つまり、そんな気はないのだろうが、いまの多くの医者は、自覚しようとしまいと、結果的には患者に対して詐欺をやっているのと変わらない。


 
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