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21/09/20●連載コラム「自宅でしなないために」(夕刊フジ)を再録します

 先月、コロナ感染者数がピークで、自宅療養(自宅放置)者が激増したとき、夕刊フジで4回にわたって「自宅で死ないために」をコラム連載しました。今回、それが、別冊新聞「健活手帖」に再録されました。

 そこで、ここに第1回の原稿「なぜ「自宅療養」をせざるをえないのか?」を再録します。

 

新型コロナ感染爆発、自宅で死なないために
1)なぜ「自宅療養」をせざるをえないのか?


 日本は「法治国家」とされますが、新型コロナの感染爆発を目の当たりにすると、「放置国家」と言わざるをえません。東京はすでに医療崩壊しており、これ以上、患者さんが増えたら、国民皆保険制度も破綻します。

 コロナ患者さんを診ない医師会所属の町医者が批判されていますが、これは制度上仕方ないことです。指定感染症の分類を2から5にしろという意見がありますが、そうしたとしても解決しません。感染者の増加が止まらなければ、解決にはならないからです。

 それに、多くの町医者はいま、ワクチン接種に追われながら、コロナ患者以外の患者さんを診ており、こちらもパンク状態です。

 

 先日、政府は、「中等症患者は自宅療養」とした方針を撤回し、「中等症患者の入院を継続する方針」に戻しました。しかし、それは単なる机上の話。現実的にはなんの意味もありません。ベッドも人出も足りないからです。

 中等症といっても、症状はさまざまで、示された指標だけで仕分けはできません。厚労省の「治療の手引き」では、息切れや肺炎を発症している場合は「中等症1」、酸素投与が必要な場合は「中等症2」に分類されています。しかし、現場でコロナを診てきた医師でなければ、的確な判断はできません。

 

 それにしても、異常に少ないPCR検査数を、なぜ政府が解消しなのか、私にはわかりません。その結果、私のような医者にも相談が来ます。

「熱と咳が続いているので検査を受けようと、保健所に電話したら断られました。都のコロナの電話相談にかけたら、厚労省のHPで探せと言われました。そこで、ネット検索で民間を当たりましたが、どこも予約でいっぱいでした。先生の伝手でありませんか?」

 現在、民間のPCR検査は、値段がさまざま。3000円のところもあれば、2万円取るところもあります。もちろん、行政検査はタダですが、すでに保健所は濃厚接触者も追えない状況なので、申し出てもOKは出ません。それにしても、2万円の出費は学生や若い会社員にはかわいそうです。

 

 多少の発熱、咳ぐらいなら、若い人は病院に行かないでしょう。そうこうするうちに症状が悪化し、PCRで陽性と判定されても、町の病院は診てくれません。保健所に電話がつながったとしても、自宅療養を指示されるだけです。

 自宅療養患者の一部は、重症化の危機に陥ります。熱が40度以上になり、呼吸も苦しくなって、救急車を呼びます。しかし、受け入れ先の病院がなく、何時間もたらい回しになるケースが続出しています。都内の救急で働くある医者は、救急車を病院に着けさせ、クルマの中で治療にあたったと言っていました。

 

 現在、感染爆発中のデルタ株は、これまでの株とは違います。感染力が強く、重症化するリスクも高いのです。さらに、ブレイクスルー感染(ワクチン接種後の感染)も起こしています。埼玉県では、87日、新規感染者889人のいち23人が2回接種済みでした。

 報道ではワクチン接種を終えていない50代の死者がよく取り上げられていますが、数から見ると70代や80代の死亡者数は50代の45倍です。

 さらに、後遺症が長引くことが報告されています。半年以上倦怠感が続き、嗅覚も戻らず、何度も病院を受診した患者さんがいます。コロナ治療は無料ですが、後遺症治療は有料です。

 

 もはや「緊急事態宣言」「まん防」などまったく効きません。「国民のために働く」「命と健康を守る」「安心安全」などと繰り返してきた首相も政府も打つ手を失っています。「自助、共助、公助」のうち「共助、公助」はなくなりました。感染・発症しても、自宅で自力で回復するほかないのです。

 
21/07/16●夕刊フジで「スポーツ医学から見た東京五輪」を連載中

とうとう強行開催されることになった東京五輪。開幕まであとわずかの今週、『スポーツ医学から見た東京五輪』を夕刊フジで5回、連載しています。

 コロナ禍で、まったく盛り上がらないなか、「アスリートファースト」という言葉もただ虚しく響くだけですが、今回の五輪は、スポーツ医学の進歩から見ると、画期的なことばかりです。もはや、アスリートの体は肉体改造の限界までいっており、それも遺伝子レベルで行われています。

 五輪レベルのスポーツは、もはや「努力」などとは無縁の世界です。メダルの「感動」といっても、それは一般人の感覚をはるかに超えた世界で行われているのです。

  連載2回目掲載分 

 
21/05/01●読売新聞サイト「ヨミドク」のコラム連載「死を想え」まとめ

月、1,2本のペースで、「死」に関してのエッセイを書いてきました。以下、この1年間のまとめです。

https://yomidr.yomiuri.co.jp/column/fuke-takashi/

 

2020430日 「命の選別」が始まったコロナ緊急事態……高齢だから治療を諦めるよう求められたら!

2021324日 コロナ禍で子供の自殺が過去最多の499人、子供は時に現実よりも空想の世界が大きい……鬼滅は激しい世界と知っておきたい

202133日 森元首相も受ける人工透析 日本で増え続けるのはなぜ?

2021117日 医療崩壊の最大の問題、どの患者を救うか選ぶ「トリアージ」は医者任せでいいのか?

2021111日 コロナ禍で、人生の始まりと終わりの仕事、産婦人科と葬儀場が窮地に

20201229日 人に知られず死んでいく「孤独死」、実は4割が現役世代、コロナ禍で増加の心配も

2020127日 コロナ禍の下、女性の自殺者が激増、日本の女性差別が生み出す悲劇

2020116

手術を3回体験して思う「30年前なら生きていない」!?……心臓病検査のすすめ

2020929

「迷惑をかけたくない」という日本人の死に方……藤木孝さん80歳の自殺に思う

2020730

ALS患者の嘱託殺人事件から、「死ぬ権利」「安楽死」について考える

202076

新型コロナで忘れられた「多死社会」の現実……毎日3500人以上が死亡、どう向き合えばいいのか?

202068

新型コロナ、高齢、糖尿、心臓病、前立腺がんの私に今できることは?

2020427

新型コロナ死亡者は報告数よりもっと多いのでは?

 
21/04/21●夕刊フジで「70歳定年どう生きるか?」を5回連載 PDF 印刷 Eメール
作者 山田順   
2021年 5月 20日(木曜日) 23:50

今年の41日から、「70歳就業法」(正式には「高年齢者雇用安定法」の改正)が施行されました。これにより、事実上定年がなくなり、働きたい人は70歳まで働けるようになりました。しかし、これはいいことなのでしょうか?夕刊フジの連載(5回)で、現実に立って、高齢社会の生き方を考えます。

 その第1回の原稿を、ここに再録します。

  

「70歳就業法」で死ぬまで働くことに!? 「高齢者は働くことを望んでいる」政府の“美しき嘘”

https://www.zakzak.co.jp/lif/news/210420/hea2104200003-n1.html

  この4月1日から「70歳就業法」(正式には「高年齢者雇用安定法」の改正)が施行されました。事実上定年がなくなり、「ハッピーリタイア」「余生」などという言葉は、ほぼ死語になったと思っています。 

 「70歳就業法」は、ひと言で言うと、希望する社員が70歳まで働けるように企業に努力義務を課すというもの。努力義務とはいえ、ほぼ強制です。そのため、企業は、現在65歳とされる定年制を廃止するか、定年を繰り上げるか、あるいは定年後も雇用を続けるなどの対応をせざるを得なくなりました。

 ついこの間まで、定年は65歳でした。それがいきなり70歳。しかも、今回は働くといっても、業務委託でもいいので、その場合は会社との雇用関係はなくなります。

  つまり、労災や雇用保険の対象外となり、年末調整がなくなって確定申告が必要となります。労働法の保護は受けられないし、過重労働を防ぐための労働時間規制も、最低賃金も適用されません。事故に遭っても労災による救済が不十分なうえ、社会保険料の事業主負担もなくなります。

 政府は「70歳まで働けます」「人生100年時代の新しい働き方」などとしていますが、表向きの話に過ぎません。

 私たち医者には、定年がありません。医師免許を持っている限り、いつまでも医者として働くことが可能です。だからといって、知力も体力も落ちれば、続けるのは不可能です。とくに外科医などは体力勝負なので、さすがに65歳を超えれば引退を考えます。

 会社員の場合も、はたして、これまでの通りの仕事が続けられるものなのでしょうか?

 

 政府もメディアも、高齢者が働き続けることを歓迎しています。いつまでも若くて元気であることが、奨励されています。しかし、多くの高齢者は、働かないで暮らしていけるなら、働きたくないはずです。ところが政府は、「高齢者はみな引退を望んでいない。いつまでも働くことを望んでいる」と言うのです。

 

 総務省の「就業構造基本調査」によると、「働きたいが働いていない高齢者」の割合は、60~64歳は15%、65~69歳は22%、70~74歳は27%と、年齢が上がるにつれ高くなっています。こうした調査をもとに、政府は「高齢者は働く意欲はあるものの、雇用の受け皿が整備されていない」として、今回の法改正をしたと説明しています。

 

 しかし、私に言わせれば“美しき嘘”です。医療現場で多くの高齢患者と接してきましたが、高齢者の本音は「働かなくてすむなら働きたくない」です。ただ、調査ではそんなことは言えません。「働かないと食べていけない」「年金だけではやっていけない」などとは言わず、単に「働きたい」と答えるのです。

 

 「70歳就業法」が施行される前の厚生労働省の調査では、70歳以上の高齢者が働ける制度を設けている企業数は、全企業の31・5%、約5万社でした。このうち3割以上が中小企業で、たとえば町工場などでは、慢性的な「人材不足」からそうしていたのです。ここに、「70歳就業法」が導入されたというわけです。

 

 人間、65歳を過ぎると老化のスピードは早まります。現在、「健康寿命」は、男性が72・12歳、女性が74・79歳。昔に比べ、いまの高齢者はたしかに元気です。しかし、70歳まで働けば、その後のわずかな期間しか健康で元気に暮らせません。「生涯働き続けで死ね」と言っているのに等しいのではないでしょうか。どう対処するべきか。次回に続きます。

最終更新 2021年 5月 20日(木曜日) 23:57
 
21/02/25●夕刊フジで【医者の体験告白記 心臓手術3回を乗り越えて】を5回連載

これまで、私は3回、心臓の血管の手術を受けています。いずれも、南淵明宏医師にやってもらいましたが、この手術がなかったら、こうして元気で生きてはいられなかったでしょう。この体験を、ありのまま書いてほしいと「夕刊フジ」から依頼されたので、5回(1週間)にわたって書きました。

 以下、第1回原稿を再録します。

 

https://www.zakzak.co.jp/lif/news/210216/hea2102160003-n1.html

【医者の体験告白記 心臓手術3回を乗り越えて】狭心症などの心疾患、今の医療では「早期発見」でほとんど助かる がんと同様に心臓検診受けて

 

 現在73歳の私が生きているのは現代医学の発展のおかげです。循環器系の手術が、ここ20~30年で急速に進歩したからです。「早期発見、早期治療」と言うと、がんを思い浮かべる方が多いと思いまが、これは心疾患(心臓の病気の総称)にも通じることです。私にこの思いが強いのは、これまで3回も心臓の手術を受けて助かったからです。医師の私が体験した最新治療を5回に渡ってリポートします。

 

 いまはコロナばかりが注目されていますが、「心疾患」は重大な病気です。日本人の死因の第1位「悪性新生物」(がん)に次いで、死因の第2位が「心疾患」であり、年間で約20万人が亡くなっています。このうち、約3万5000人が「急性心筋梗塞」、同じく約3万5000人が「虚血性心疾患」で、これらは発症する前に発見、早期治療をすれば助かることが多いのです。

  私が人生で3度目の狭心症の手術を受けたのは、昨年の10月でした。背中に重い荷物を背負っているような感じがし、動くとすぐ息切れがしたので、「また来たのか」と思いました。

 それで、すぐに心臓外科医の南淵明宏氏に連絡を取ったのです。南淵氏に関してはあえて書くまでもなく、心臓外科医として第一人者で、私はこれまで2回、彼に世話になり2012年に直接手術をしてもらいました。

 

 まず、彼のクリニックに行き、CTを撮ってもらうと、案の定、右冠動脈が詰まっていました。それで、昭和大学横浜市北部病院に入院し、ステント留置の手術を受けたのです。この経緯に関して、この連載の最後に書くので、ここでは、冠動脈の手術が、いまどのように行われているかを述べてみます。

 

 冠動脈は、心臓の筋肉に酸素や栄養を送っている血管で、心臓を冠状に取り巻いています。冠動脈には、左冠動脈、右冠動脈があり、左冠動脈は途中で2つに分かれ、前下行枝や回旋枝が左心室や心房を中心に血液を送っています。

 したがって、これが動脈硬化などで閉塞し、心臓が酸欠状態に陥ると狭心症になります。閉塞が突発的に起こると急性心筋梗塞となって、死に至ることがあります。助かっても後遺症が出るケースが多く、心臓疾患ほど怖いものはありません。

 

 じつは、私の父は70歳で突発性の腹部大動脈瘤破裂を起こし、その日のうちに亡くなっています。そのため、私もいずれ血管系の疾患に襲われるだろうという予感がありました。それが、現実化したのが、57歳のときです。このときは、朝方に左胸が痛くなり、冷や汗が出たので、知遇のあった南淵医師に連絡し診てもらったのです。

 

 診断は、左冠動脈前下行枝の一部の閉塞で、循環器内科でステント留置手術を受けました。2度目はそれから8年後、同じように痛みが出たので検査すると、今度は左冠動脈の上部がほとんど詰まっていた。このときは開胸してバイパス手術を受けました。かつて、狭心症などの心疾患は、手術法がありませんでした。ステント留置手術もバイパス手術もありませんでした。私が医学生のころは、心電図を撮ってただ冠拡張剤を処方するだけでした。いまでは早期発見すればほとんど助かります。

 

 ところが、みなさん、がん検診ほど心臓検診を受けません。私のように自覚症状が出てからでは手遅れの場合もあるので、検査を受けることをお勧めします。たとえば動脈瘤は、9割以上が自覚症状なく大きくなり、破裂して初めて症状が出ます。破裂してからでは遅いのです。

 
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