09/10/19■新型インフルエンザで専門家も苦慮。接種回数決まらず 印刷

 新型インフルエンザのワクチン接種をめぐり意見が分かれている。10月19日、厚生労働省で開かれたワクチン接種回数に関しての議論でも、専門家の意見はまとまらなかった。その結果、足立信也政務官は、妊婦や持病のある人の接種回数を2回から1回に変更するかどうかは、実験的な調査をしてから判断するという方針を発表した。また、妊婦や持病のある人の接種回数は今後の検討課題とすることを決めた。同日始まった医療従事者への接種回数は当面、1回ということになった。

 今年の春から、新型インフルエンザ(A型H1N1)は、豚インフルエンザ(swine flu)と呼ばれたように、当初は豚に感染して呼吸器症状を起こすものだった。それが、やがて人から人に感染しやすい新型インフルエンザウイルスになった、と考えられている。

 19日の会議に先立つ16日の専門家の意見交換会では、臨床試験の中間報告のデータが示され、専門家らは「13歳以上は原則として1回接種」とする方針で合意していた。しかし、足立政務官は19日夜、「専門家の合意で決めるのは拙速だ」として会議を招集した。こうした議論を受け、長妻昭厚労相は接種の回数や時期についての方針を決めることになった。

 いずれにせよ、新型だけにまだ確定できないことが多い。ただ、今後さらに発生と感染が拡大していくかは、余談を許さない状況にある。すでに、患者の発件数から見て、全国平均で注意報レベルを超えていること、そして、ワクチンの数が足りないことが明らかになっている。

 しかし、いたずらに不安になるのは、よくない。報道を見て、冷静に判断して行くことがもっとも望ましい。

最終更新 2009年 11月 01日(日曜日) 15:01