09/11/27●民主党で医療費議連が発足 「診療報酬引き上げを」 印刷

   かたや予算削減。かたや予算増額の要求。いったい政府も民主党もどうなっているのだろうか? 

 つい先日、財務省が診療報酬の2010年度改定で、3%の引き下げを要求。主に中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)で決めていた報酬配分についても、政府の見直し案を年内に決めるよう 要請する方針を発表した。これに対して、厚生労働省は11月24日に、医師の技術料に当たる「本体部分」で約3%引き上げるよう求める方針を固めたという報道があった。

 このように政府内部でも、診療報酬についてもめているなか、今度は民主党の議員がこの問題の対する議連を発足させた。

 11月26日、民主党が発足させたのは、診療報酬の引き上げを求めるための「適切な医療費を考える議連」(桜井充会長)。2010年度予算で診療報酬を引き上げ、緊急治療を担う病院や勤務医への報酬を増やすことで、地域医療の崩壊を食い止めるのが狙いという。この議連は、12月中に具体案をまとめ、長妻昭厚生労働相に提言するという。  

 桜井氏は、議連発足の会合で、財務省が厚労省に診療報酬の引き下げを要求していることについて、民主党のマニフェスト(政権公約)に反すると批判した。確かにマニュフェストに照らせば、そのとおりであろう。

 しかし、日本の国家予算全体を考えれば、医療費の急増はもはや持ちこたえられないところまできている。したがって、増額要求をするなら、もっと医療行政全体を見渡して、予算の組み替えや、診療報酬の改定を行うべきだ。ただ、削る、削らないでは、いま行われている「事業仕分け」の細かいやり取りと同じことになる。医療に関する国家ビジョンが民主党にはないのか?

 なお、会合には、民主党議員約40人が出席した。