11/01/01●夕刊フジに「正月を元気に過ごす6カ状」を寄稿 印刷

「正月を元気に過ごす6カ状」

第1条、寝正月こそベスト!「不眠は永眠の始まり」

 正月を家で寝ながら過ごすことに罪悪感を持ってはいけない。じつは、これこそが最大の健康法である。日頃4〜5時間睡眠で頑張ってきたサラリーマンには、まず睡眠を十分取ることをお勧めする。よく「寝だめ」と言うが、「食いだめ」はできないが寝だめは意外とできるもの。最近は不眠症が増えているが、不眠が怖いのは寿命を縮めることで、「不眠は永眠の始まり」と考えるべき。ただし、睡眠は長すぎてもよくなく、1日に6.5〜7.5時間の睡眠をとっている人が最も死亡率が低いという研究結果がある。正月を境に、グッスリ深く眠ってスッキリ目覚める生活に変えられればベストだ。

第2条、酒を飲んだら必ず「水の補給」を!

 正月につきものの飲酒。暴飲暴食がよくないのはもちろんだが、アルコール分を体内に入れたら必ず水分を補給すること。とくにビールは利尿作用が強く、喉の乾きを癒すために飲んでも、逆に体内の水分を排出してしまう。たとえば、ビール500mlを飲むと、尿として800mlの水分が体外に出るとされる。二日酔いの原因も水分不足(脱水症状)である。したがって、水分補給は重要で、とくに就寝前にコップ1杯(200ml)は必ず飲むべきだ。

第3条、酒を飲んだら「入浴するな」!

 意外と知られていないが、正月の死因で多いのが入浴中の突然死。入浴直後には脳出血、入浴中には脳貧血や意識障害、入浴後には急性心筋梗塞と脳梗塞が起こりやすく、とくに飲酒後の入浴は危険だ。寒い脱衣場や浴室に入ると血管が収縮するし、身体を洗うなど身体を動かすことにより血圧は急激に上昇する。また、浴槽に入り湯に長くつかっていると血管の拡張が起こり、血圧は急激に下降する。「飲んだら入浴するな」を忘れずに。

第4条、飲んだらセックスは「正常位」で!

 年の初めのセックスを「姫始め」と言って、ハッスルしすぎる向きがある。これは危ない。とくに飲酒後に女性上位のような刺激的な体位でセックスを行うと、突然死の原因になる。男性と女性とではセックスによる血圧の上昇度が異なり、女性の場合は平常血圧から約40ほど上昇するのに対し、男性は平均80ほど上昇する。つまり、 男性の血圧は女性をかなり上回り、これが突然死を招く。飲酒後のセックスは、オーソドックスな正常位にしたい。

第5条、餅が詰まったら「掃除機」を使え!

 正月のニュースでおなじみになった「お餅が喉に詰まって死亡」。じつは、これは意外な方法で防ぐことができる。それは掃除機のチューブを喉に当てて吸引してしまうことである。消防署などでは勧めていないが、じつは意外と効果がある。万が一の場合、知っておくといい。また、餅を食べる前にはお茶や水分を十分に取り、喉を潤して、通りを良くしておくことも忘れずに。

第6条、初詣では「アゴを引いて」!

 寝正月といっても、初詣には出かける人は多い。ところが、せっかくの初詣も人混みに押されて横転し、硬膜下血腫になるなどの例が報告されている。そこで、人混みではアゴを引いて歩くように心がけたい。こうすると身体のバランスがとれ、重心が安定するので、多少押されても平気である。