09/09/03■医療費最高34兆円超 07年度、今後も年1兆円増 印刷
   厚生労働省は2日、2007年度に、病気やけがのために医療機関に支払われた医療費の総額(国民医療費)が前年度に比べて3%増の34兆1360億円と過去最高を記録したと発表した。国民医療費というのは、治療に充てた費用が対象で、健康診断や予防接種などは含まない。それでも、1年間にかかった医療費全体の指標として使われることが多い。

  年々増え続ける国民医療費。34兆円という額は、日本の税収が約50億円弱とすると、その7割近くにも達してしまう。これでは、日本国は、医療費だけでやがてつぶれかねない。厚労省は「高齢化の影響だけで国民医療費は5000億円程度増えた」とみているが、実際、高齢者の増加や医療技術の高度化で1人当たりにかかる医療費は年々増えている。

  今回は2007度の発表だが、2008年度はさらに増加しているのは間違いない。民主党は今後、医療体制を拡充する方針で、マニフェストにもそれをうたっている。しかし、財源確保の明確な道筋は見えてこない。