09/09/23■新型インフルエンザ、ワクチンでは7割超の人が「不安」「不十分」 印刷

 新型インフルエンザ(H1N1)などのパンデミック(世界的大流行)について、医療面での対策を「不十分」と感じる人が半数以上に及ぶという調査結果が発表された。調査したのは、日本経団連の関連団体、経済広報センター(東京)。インターネットを通じて実施し、全国の2179人から回答を得た。

 調査結果によると、国の新型インフルエンザに対する対応については、65%の人が「評価する」としているものの、「抗インフルエンザウイルス薬の備蓄・予防投与やワクチンの開発・製造」については、77%の人が「不十分」と厳しい評価をしている。発熱外来対応の充実や入院病床の確保といった「医療体制の整備」も、不十分との見方が57%に達している。

「豚インフルエンザ」と言っていたものが、「新型インフルエンザ」と呼び名が変わり、今後は大規模な流行も予想されている。もし、パンデミックとなれば、現在の日本の状況では、ワクチンが足りなくなる可能性もある。

 そんななか、厚生労働省は、新型インフルエンザワクチンの接種費用を全国一律にする方針を固めている。現在、厚労省は新型インフルエンザワクチンについて、接種費用を自己負担してもらうよう調整しており、2回接種で6000〜8000円程度になる模様だ。もちろん、生活保護世帯など低所得者は負担を軽減する。ワクチン接種は、10月下旬から、まず医療従事者に接種し、来年3月までに計約5400万人に打つ方針となっている。
 すでに厚労省は、「新型インフルエンザの流行シナリオ」を発表している。それによると国内の患者数は年内に人口の約20%、約2500万人に達するという。そのうち約38万人が入院し、約3万8000人が重症化すると予測している。