10/01/07■国保組合への別枠補助金問題は深刻!19組合が上限超過 印刷

  アメリカでは、民主党指導部が、5日、上院、下院を昨年それぞれ通過した医療保険法案の一本化に向けた協議を開始した。医療保険改革は、オバマ政権の最大のテーマだが、日本の医療改革はまったく進展の兆しが見られない。

 医療界の年頭ニュースは、どうも暗いものばかりが多いが、なかでも朝日新聞がスクープした厚生労働省のお手盛り補助金問題は深刻だ。ここれは、 建設業や小売業などの自営業者らがつくる国民健康保険組合(国保組合)に対して、公表されている補助金制度とは別枠で、総額229億円の補助金が出てい た問題。

 この件で、長妻昭厚生労働相は6日、2011年度予算の概算要求に向けて、この補助金の内容を調べ、不要と判断される分については減額・廃止することを決 めることになった。また、厚生労働省は同日、個別の国保組合に対する国庫補助率を初めて公表することになった。

 厚生労働はこれまで、補助率については「医療機関に払う医療費の55% が上限」と説明してきた。しかし、公表された資料では、このほかに「財政力以外の特別の事情」(厚労省)を考慮した「特別調整補助金」が出ていた。しかも、165組合中19組合が上 限を超え、最高は京都府酒販の70.6%という有様だ。

 法律で加入者は原則、医療費の3割(現役世代)を負担すると定められている 。しかし、こんな抜け穴があり、補助金をもらっているところは、入院負担金などをゼロにしているのだから、あまりに不公平だ。