09/09/04■勤務医の4割が「不当なクレーム」を経験。医者はつらいよ! |
病院というところは、とかくトラブルが多い。そのトラブルの大半は、患者やその家族からのクレームである。このたび、日本医師会の「勤務医の健康の現状と支援のあり方に関するアンケート調査」の結果が発表されたが、それによると、勤務医の約4割が、患者やその家族からの不当なクレームやトラブルを経験していた。 この調査は、今年2月20日から3月6日まで実施。日医会員の勤務医1万人(男性8000人、女性2000人)を対象に実施。3879人から回答があった。 男女別では、男性勤務医の46.3%(1384人)、女性勤務医の40.3%(332人)が経験していた。 また、年代別では、「30歳代」が51.7%(365人)と最も多く、以下「20歳代」50.5%(45人)、「40歳代」49.3%(559人)など。一方、「70歳代以上」は15.8%(43人)で最も少なかった。 勤務先の医療機関の病床数別に見ると、「500床以上」が48.7%(488人)で最多。以下「100-499床」45.2%(993人)、「50-99床」43.9%(178人)などの順で、病床数が多いほど経験した医師の割合が高かった。 この調査で注目されるのは、こうした数字のデータより、こうしたクレームを医者がどう受け止めたかである。驚くというか、私にとっては当然とも思えたのが、「自殺や死について週に数回考えた」り、「具体的な自殺の計画を立てて、実際に死のうとした」りしたことがある勤務医が、なんと約6%いたことだ。日医の今村聡常任理事は9月2日の定例記者会見で、「一般国民の割合から比べると非常に高く、衝撃的なデータだと考えている」と述べた。 勤務医が過酷な労働環境にあるのは、いまや世間も知っている。なのに、最近は、どんな治療を受けてもクレームをつける患者や家族が増えている。私は、基本的に患者側に立って医療ジャーナリスト活動を続けてきたが、思うのは、最近、昔と比べて患者側の要求レベルが非常に高くなっているということだ。 |