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25キロ PDF 印刷

リスク10倍、女性と子宮体がん


 まだ独身だった頃、ヨーロッパの白人女性とだけは結婚したくないと思っていた。歳をとると、ビヤ樽のような身体になるからだ。「お前もそう思うだろう」と友人に同意を求めたら、もちろん「それ以前に、そういった女性といい仲になるチャンスがお前にあるわけない」と言われてしまったが。

 女性は痩せる傾向にはあるのだが、歳をとるとそうではなくなる場合が出てくる。女性もグルマン、それも欧米の食事を好むようになったからかと思ったのだがそれだけではなかった。閉経後、どうしても太りやすくなるのだそうだ。のぼせやほてりなどに悩まされるだけでなく、何かにつけてイライラも募り、やけ食いぎみになるらしい。女性ホルモンにエストロゲンというものがあり、閉経することで、分泌が抑えられる。そのためにコレステロールが増えることも肥満につながる。そして中年男性のように、お腹の内臓部分の周りに脂肪がついてくる。

 それならば、エストロゲンを補充してあげればいいだろうということで、ホルモン療法がいっとき注目をあびた。しかし、今はあまりおこなわれていない。アメリカでの追跡調査で、脳卒中の危険性が41%、乳がんの発症率が26%、心臓発作が29%増加すると報告されたからだ。

 内臓の周りに脂肪分が増えると、エストロゲンの一種エストロンが分泌され、今度は子宮体がんを引き起こしやすくなる、10キロ増えると、発症リスクは3倍に増え25キロ増えると10倍にもなる、とのことなので、そこにエストロゲンを補充したら、なおさらリスクは高くなるだろう。女性の太りすぎは困るが、太り気味になるのは仕方がないことなのだ。その場合、日本語には“ふくよかな”といういい形容詞がある。
 
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