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21/02/25●夕刊フジで【医者の体験告白記 心臓手術3回を乗り越えて】を5回連載

これまで、私は3回、心臓の血管の手術を受けています。いずれも、南淵明宏医師にやってもらいましたが、この手術がなかったら、こうして元気で生きてはいられなかったでしょう。この体験を、ありのまま書いてほしいと「夕刊フジ」から依頼されたので、5回(1週間)にわたって書きました。

 以下、第1回原稿を再録します。

 

https://www.zakzak.co.jp/lif/news/210216/hea2102160003-n1.html

【医者の体験告白記 心臓手術3回を乗り越えて】狭心症などの心疾患、今の医療では「早期発見」でほとんど助かる がんと同様に心臓検診受けて

 

 現在73歳の私が生きているのは現代医学の発展のおかげです。循環器系の手術が、ここ20~30年で急速に進歩したからです。「早期発見、早期治療」と言うと、がんを思い浮かべる方が多いと思いまが、これは心疾患(心臓の病気の総称)にも通じることです。私にこの思いが強いのは、これまで3回も心臓の手術を受けて助かったからです。医師の私が体験した最新治療を5回に渡ってリポートします。

 

 いまはコロナばかりが注目されていますが、「心疾患」は重大な病気です。日本人の死因の第1位「悪性新生物」(がん)に次いで、死因の第2位が「心疾患」であり、年間で約20万人が亡くなっています。このうち、約3万5000人が「急性心筋梗塞」、同じく約3万5000人が「虚血性心疾患」で、これらは発症する前に発見、早期治療をすれば助かることが多いのです。

  私が人生で3度目の狭心症の手術を受けたのは、昨年の10月でした。背中に重い荷物を背負っているような感じがし、動くとすぐ息切れがしたので、「また来たのか」と思いました。

 それで、すぐに心臓外科医の南淵明宏氏に連絡を取ったのです。南淵氏に関してはあえて書くまでもなく、心臓外科医として第一人者で、私はこれまで2回、彼に世話になり2012年に直接手術をしてもらいました。

 

 まず、彼のクリニックに行き、CTを撮ってもらうと、案の定、右冠動脈が詰まっていました。それで、昭和大学横浜市北部病院に入院し、ステント留置の手術を受けたのです。この経緯に関して、この連載の最後に書くので、ここでは、冠動脈の手術が、いまどのように行われているかを述べてみます。

 

 冠動脈は、心臓の筋肉に酸素や栄養を送っている血管で、心臓を冠状に取り巻いています。冠動脈には、左冠動脈、右冠動脈があり、左冠動脈は途中で2つに分かれ、前下行枝や回旋枝が左心室や心房を中心に血液を送っています。

 したがって、これが動脈硬化などで閉塞し、心臓が酸欠状態に陥ると狭心症になります。閉塞が突発的に起こると急性心筋梗塞となって、死に至ることがあります。助かっても後遺症が出るケースが多く、心臓疾患ほど怖いものはありません。

 

 じつは、私の父は70歳で突発性の腹部大動脈瘤破裂を起こし、その日のうちに亡くなっています。そのため、私もいずれ血管系の疾患に襲われるだろうという予感がありました。それが、現実化したのが、57歳のときです。このときは、朝方に左胸が痛くなり、冷や汗が出たので、知遇のあった南淵医師に連絡し診てもらったのです。

 

 診断は、左冠動脈前下行枝の一部の閉塞で、循環器内科でステント留置手術を受けました。2度目はそれから8年後、同じように痛みが出たので検査すると、今度は左冠動脈の上部がほとんど詰まっていた。このときは開胸してバイパス手術を受けました。かつて、狭心症などの心疾患は、手術法がありませんでした。ステント留置手術もバイパス手術もありませんでした。私が医学生のころは、心電図を撮ってただ冠拡張剤を処方するだけでした。いまでは早期発見すればほとんど助かります。

 

 ところが、みなさん、がん検診ほど心臓検診を受けません。私のように自覚症状が出てからでは手遅れの場合もあるので、検査を受けることをお勧めします。たとえば動脈瘤は、9割以上が自覚症状なく大きくなり、破裂して初めて症状が出ます。破裂してからでは遅いのです。

 
21/01/06●再び「緊急事態宣言」が。コロナはインフルエンザに置き代ってしまったのか?

今日の東京都の感染者数は、1591人で過去最高を記録した。また、全国では、1日の発表としては初めて6000人を超えて過去最多となった。もはや、感染拡大は止まらない状況だ。これまで後手後手を繰り返してきた政府は、とうとう尻に火がついて、ついに「緊急事態宣言」をする運びになった。

 

 それにつけて思うのだが、毎年、この季節にピークを迎えるインフルエンザはどうなってしまったのだろうか?

 

 厚生労働省は、毎年、9月から翌年5月末までの間、1週間ごとにインフルエンザ患者の発生状況をまとめて公表している。それによると、91日を含む第36週から第50週(2020127日~13日)の15週間の累積の患者数は、全国でたった383人。過去5年間の同期間の平均患者総数は約9万人だから、2020/21年シーズンの患者数は0.5%以下である。

 新型コロナウイルス感染が拡大する東京都では、第501週間の患者数はたった4人だった。

  

 ということは、コロナの感染拡大がインフルエンザにとって代ってしまった。そういうことなのだろうか?しかし、コロナに関しは、インフルエンザのような「季節性」はほとんどないと言われている。真夏の南アフリカで変異種が出現し、感染拡大が止まらないのだから、「冬に流行する」という特性はないはずだ。

 インフルエンザはどこに行ってしまったのか? 本当に不思議である。

 
21/01/03●コロナ禍で「在宅死」が増加。在宅死を選択するということとは?

 このテーマで、「経済界」2月号の連載「人生100年時代の養生訓」に書きました。以下、収録します。

 

コロナ禍で進む病院離れ。幸せな「在宅死」という選択は可能か?

  コロナ禍は高齢者の生活を直撃した。とくに、人生の後半を穏やかに過ごそう、そうして安らかに死んでいきたいという人々の生活を変えてしまった。多くの人は、病院が嫌いだ。だから、本当はいくら死期が近づいたと思っても自宅で過ごしたい、施設や病院で過ごしたくないと思っている。しかし、この思いは、現在の医療体制ではかなわない。それで、仕方なく、施設や病院に入っているのだ。 

 厚労省は「病院から在宅へ」を進めてきたが、在宅医不足、介護者不足で、これまでほとんど実現していない。それで仕方なく、2018年から制度変更して「介護医療院」を新設した。ここは、医療・介護・住居がセットになったもので、死を迎えるまでの「終のすみか」になり得る。ところが、制度はできても、まだまだまったく足りていない。

 その結果、いまでも多くの人が病院で死を迎えているのが実情だ。日本の「病院死」は、死全体の約8割に達している。これは、5割以下の欧米諸国に比べて圧倒的に多く、幸せな死に方とは言い難い。

 

 そんなところにコロナ禍がやってきたのである。「医療崩壊」になってしまうのは、当然だ。

 

 懇意にしている都内の拠点病院の院長はこう言う。

「コロナ禍になってから、患者さんの病院離れが進んでいます。一つは、コロナが怖いということ。通院はもとより、入院も減っています。感染したらたまらないというのです。もう一つは、入院してしまうと家族に会えなくなること。こういう方は、終末期患者さんに多く、家族と最期のときをいっしょに迎えられないのを嫌がるのです」

 さらに、病院側の事情もある。在宅患者の緊急入院の約4割が肺炎や尿路感染などの発熱性疾患である。こうした患者に対し、新型コロナ感染症の除外診断ができていなければ入院を拒否するところは多いのだ。

 

 このような“病院離れ”のせいか、在宅での看取り件数が大幅に増えている。在宅医や在宅専門診療所からは、「最近、本当に看取りが多くなりました」という声が聞こえてくる。これは、統計にも現れている。

 「病院死から在宅死」へ。なかなか進まなかったことが、コロナ禍で進むのは皮肉な結果だが、ここで、忘れてはならないことがある。それは、前記したように、在宅医療、在宅死の環境が日本では整っていないことだ。

 私の時代は、具合が悪くなったら、まず近所の医者に診てもらい、その医者が往診に来てくれて、自然にかかりつけ医になり看取りまでしてくれた。しかしいまは、自ら在宅医を確保し、訪問看護サービスを受けなければ、在宅死はできない。

 

 単縦な話、自宅で看取りをするには、三つのことをクリアしなければならない。一つ目は、同居する家族がいること。いうまでもなく、看取りの場には家族がいる必要がある。二つ目は、在宅医を確保し、24時間対応の訪問看護師のサービスを受けること。三つ目は、終末期治療にあたってどこまでするかを自身で決めるか、家族と話し合って決めておくこと。つまり、「生前意思」をはっきりさせておく必要がある。

 普通、自宅で死ぬことを「在宅死」と呼ぶが、厚労省の統計では、老人ホームなどでの死も「在宅死」としている。そして、それができるのは4人に1人。コロナ禍で、在宅死が増えたというのは、施設での死がほとんどと思われる。

 人生を自分の家で幸せに終えるためは、生前のよほどの努力が必要である。コロナ禍は、このことを私たちに教えてくれている。

 
20/12/10●米英でワクチン接種が始まる。日本はワクチンで完敗。

米英で、いよいよワクチン接種が始まった。英国ではアストラゼネカとファイザー。米国ではファイザーとモデルナの2種のワクチンによって、今後、全国民への接種を目指す。少なくとも人口の56割、よくて8割までいけば、集団免疫ができて、感染拡大は止まるだろう。

 

 現在、日本では、ワクチンに対して懐疑的な見方が強い。メディアも専門家も口をそろえて、「効果があるあかどうか未知数」と言っている。なにしろ、初めての「mRNA」(メッセンジャーRNA)ワクチンだから、評価しようがないのだ。しかし、たとえばモデルナは、最先端の遺伝子研究をもとにしたベンチャーで、アメリカ政府がワクチンは安全保障にかかわる戦略物質として、大金を投じている。 

 接種が始まれば、いずれ結果が出て、人々はこぞってワクチンを求めるだろう。

 

 それにしてもわが国は、ワクチン開発でボロ負けである。そもそも、開発しようという気概もなければ、政府の認識も甘すぎた。ワクチン開発に投じられた政府予算は600億円とされ、米国の20分の1という。

 政府はファイザー、モデルナ、アストラゼネカから供給を受けることで合意している発表しているが、いつ接種が始まるのか、まったくわからない。

  

 
20/11/20●時事通信社「内外情勢調査会」で講演

時事通信社「内外情勢調査会」の講演。秋田ビューホテルにて行いました。講演テーマは、「間違いだらけの医者選び」。

  

 
20/05/25●夕刊フジで、精神科医の吉竹弘行氏と緊急連載『コロナ禍が心を蝕む』を開始

コロナ禍は、新型コロナウイルス感染症ばかりではなく、人間の心も蝕んでいる。コロナ禍が起こってから、精神科を訪れる患者が増えたという。「自粛疲れ」「コロナうつ」という言葉もできた。

 そこで、精神科医の吉竹弘行氏(明稜クリニック院長)に私が実情を聞くというかたちで、夕刊フジで連載をすることに。第1回は、「コロナうつ患者」に関して、几帳面な人、頑張りすぎる人がなりやすいということを話してもらった。

  

 
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