10/09/03●岐阜県警が医療過誤訴訟の証拠品なくしていたことが発覚 印刷
 2005年(平成17年)に岐阜県羽島市の病院でカテーテル交換手術を受けて死亡した女性の死因をめぐり、岐阜羽島署が担当医を業務上過失致死容疑で捜査した際、証拠品として提出を受けたカテーテルを紛失したことが3日、わかった。各紙の報道によると、女性の遺族は2008年に病院を損害賠償を求めて提訴。地裁を通じ今年7月、カテーテル提出を署に求めたが「書面上は署に保管された状態だが所在が判明しない」などと書面で回答があったという。
 岐阜県警は、捜査の結果、事件性はないと判断、証拠品を返却したが、カテーテルは返却の記録がなかったとしている。それで、紛失したとの回答をしたようだ。岐阜羽島署は「今後こういうことがないよう指導を徹底する」とコメントしているが、本当に紛失してしまったかどうかは闇の中だ。
 この事件の背景には、最近の医療訴訟に対する風潮がある。それは、警察がほとんど立件しなくなったことでわかるように、この手の問題に極力関わらないようにしているということだ。医療訴訟は、現在、ますます専門的になったこともあり、警察・検察はよほどの事件性が認められないと立件しない。