昨年からずっと騒がれ、ワクチンの供給などが大問題になった「新型インフルエンザ(H1n1)」(豚インフルエンザ:swine flu)は、どうやら「空騒ぎ」で終わりそうだ。国によるワクチン接種は続いているが、関係者が懸念したような大流行は起こりそうもない。 そればかりか、例年の冬と比べてもインフルエンザの患者数は減っている。 国立感染症研究所が12日に発表したところによると、全国約5000カ所の医療機関を昨年12月28日~今月3日に受診したインフルエンザ患者数は1施設当たり10.22。5週連続の減少で、前週の19.63から大きく下がっている。また、休診した医療機関も多いため、実際より数値が低い可能性もある。1週間の推計患者 は63万人(前週100万人)で、11週ぶりに100万人を切っている。 この結果から、「あの騒ぎはなんだったのか?」「本当に新型インフルエンザはいままでのインフルエンザより怖いものなのか?」などという声があがってきた。 そういう声は、日本より欧州のほうが先で、昨年末の12月31日、欧州議会(EUの議会)の保健衛生委員会(Health Committee)は、昨年夏から豚インフルエンザが流行した際、欧米の製薬会社が、ワクチンや関連医薬品の売り上げを伸ばすため、国連のWHO(世界保健機構)や国際医学界などに影響力を行使し、インフルエンザに対する危機感を世界的に扇動した疑いがあるとして、調査を開始することを全会一致で決議している また、1月11日付英紙「サン」によると、欧州会議議員会議(PACE)保健分科委員長のボダルク氏は、「製薬大手が、警報のレベルを最高レベルのパンデミック (pandemic)に高めるよう世界保健機関(WHO)に圧力を加えたため、新型インフルエンザの恐怖を拡大させた」と話している。 同氏はさらに「新型インフルエンザの恐怖は製薬会社が主導した“偽りのパンデミック”で、今世紀最大の医学スキャンダルの1つ」と続けている。 今回の豚インフルエンザは、WHOが昨年6月に警戒度を最高の6まで高めたことから起こった。「パンデミック」とは、「2つ以上の地域の国々で大規模な感染」を意味し6段階の警戒度の6を指す。しかし、結局、パンデミックは起こらなかった。 例年インフルエンザが拡大する秋から冬にかけても、世界中で拡大の兆しはみられず、むしろ例年どおりの国が多い。米ハーバード大学と英政府系研究所が12月にまとめた調査によると、昨春以来の豚インフルエンザの流行は、最悪の見積もりでも「例年よりわずかにひどい程度」というから、やはり、製薬メーカーの情報操作だった可能性が強い。 じつは、「新型インフルエンザは一般のインフルエンザの一種。致死率が季節性インフルエンザの10分の1にもならない」という調査結果もあったが、もみ消されたようだ。日本の医者の中にも、「国や厚生省は恐怖を煽りすぎだ」という者もいたが、そんな声はマスコミの大報道の前に消されてしまった。 いずれにせよ、今年になってから、世界各国がワクチンの注文を取り消している。アメリカは11日、オーストラリアの製薬会社CSLへのワクチン発注を半分に減らしたと発表した。ドイツ政府も英国系製薬会社グラクソ・スミスライン(GSK)に発注したワクチンの量を3分の1に減らす方針を決めた。 この冬、不況だというのにマスクにワクチン接種と要らぬ出費をさせれた人たちは、怒りをどこに持っていけばいいのだろうか? |