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富家孝の連載Blog「これでいいのか日本の医療」

 医師・ジャーナリストという私の視点を通して、最新の医療ニュースを伝えるとともに、自身の活動の報告をしています。

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18/05/15●「人生100年時代」は大いに疑問。ある面で長寿は残酷である。

 最近、「人生100年時代」という言葉をよく聞くようになった。たとえば、野村証券は「人生100年パートナー宣言」をしてNISAを奨励し、太陽生命保険は「100歳時代年金」というものを売り出している。

 これらの発端は、英ロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏らが著した『ライフ・シフト』というベストセラー。この本に目をつけた安倍政権は2017年に「人生100年時代構想」を打ち出し、なんとこれまで6回も官僚や有識者を集めて会議を開いてきている。「一億総活躍社会の実現」というスローガンにピッタリだったのだろう。

 しかし、会議参加者たちは、長寿社会の現実を知らないのではなかろうか?

 

 先ごろ、内閣府は会議の中間報告をまとめて発表したが、それによると、これからは「リカレント教育」(生涯教育)が大切であるとされ、官民併せて努力していくことが提唱されている。とくに、大学教育を改革し、いくつになっても学べ、それによって退職後も起業したり再就職できるようにしたりしなければならいとしている。

 要するに、寿命が100年に延びるのだから、その分、高齢になっても働いて生きろということである。

 

 しかし、医者の私の実感からすると、はたして本当に「人生100年時代」が来るのかは大いに疑問だ。また、仮にそうなるとしても、それが私たちに幸福をもたらすかどうかはわからない。現代はともかく「長寿は素晴らしい」という価値観で動いている。しかし、本当に長寿は素晴らしいことなのか?

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18/05/05●はしか(麻疹)の感染が拡大中。改めて感染力の強さと、日本の後進国ぶりに驚く

たった1人の感染者(3月に台湾から沖縄を訪れた旅行者)を発端に、全国規模ではしか(麻疹)の感染が広がっている。沖縄県で90人、愛知県で15人など、すでに119県で100人を超える患者数が報告されている(54日時点)。

 麻疹は感染力がとても強いとされるが、改めて感染力の強さに驚く。予防法はMRワクチンの接種以外にないが、

残念ながら、1977年から1990年生まれの人は、1回しか接種していない。また、年代は別として、1回も接種しなかった人もいる。

 これは、国の方針がくるくる変わった影響だ。任意接種だったり、1回接種だったりとした後、やっと2回接種になった。そうして、現在は、1歳で1回目、小学校入学前の1年間に2回目を打つことになっている。

 とはいえ、この21世紀、日本は年間50人の麻疹による死者を出している「麻疹大国」(後進国)である。これでは、日本素晴らしい国などと、とても世界に誇れない。しかも、ワクチン接種は比較的高額である。即刻、なんとかすべきだろう。

 
18/03/20●医師国家試験、合格率90.1%…合格者は9024人
厚生労働省は319日、第112回医師国家試験(2月に実施)の合格者を発表した。受験者110人に対し、合格者は9024人。合格率は90.1%で、前年より1.4ポイント上昇した。合格者は、男性5958人(合格率は89.1%)、女性3066人(同92.2%)。新卒者の合格率は93.3%、既卒者は63.9%だった。

 2018年新卒受験者の入学年にあたる2012年度入試において68名の医学科定員増があったほか、既卒の受験者が増加したことから、全体の受験者数は前年より392人増、合格者は前年より491人増加した。受験者、合格者ともに既卒の増加が目立っているという。

 大学別の合格率は、自治医科大学99.2%ともっとも高く、続いて横浜市立大学97.7%、兵庫医科大学97.5%、順天堂大学96.9%となっている。

 このほか、主な大学の合格状況は、東北大学94.2%、東京大学90.0%、東京医科歯科大学95.3%、京都大学93.3%、大阪大学89.8%、九州大学89.9%、慶應義塾大学96.6%など。私の母校、東京慈恵会医科大学は95.9%だった。

 
18/03/10●健康寿命は最長更新、男性72.14歳、女性74.79歳に

厚生労働省は39日、最新の「健康寿命」(2016年時点)を発表した。それによると、男性72.14歳、女性は74.79歳で、前回の2013年と比べて男性は0.95歳、女性は0.58歳延び、男女とも過去最長を更新した。厚労省は健康寿命を3年ごとに公表しており、初回の2001年(男性69.40歳、女性72.65歳)から、健康寿命はずっと延び続けている。もちろん、平均寿命のほうも延び続けている。

 が、より重要なのが健康寿命であるのは言うまでもない。いくら長生きできたとはいえ、健康を害したまま、たとえば寝たきりになったとしたら、人生は虚しい。

 したがって、健康寿命と平均寿命との差(不健康な期間)が大きな問題になるが、この差はわずかに縮まり、今回、男性8.84年(前回9.02年)、女性12.35年(同12.40年)となった。

 

 なお、都道府県別の上位は次のようになっている。

■男性-----(1)  山梨県73.21  (2)  埼玉県73.10 (3)  愛知県73.06 (4)  岐阜県72.89 (5)  石川県72.67

■女性-----(1)  愛知県76.32  (2)  三重県76.30 (3)  山梨県76.22 (4)  富山県75.77 (5)  島根県75.74

 

 ここから、注目されるのは、山梨県と愛知県。

 山梨県の場合、男性が73.21歳で2回連続1位、女性は76.22歳で3位(前回1位)。厚労省は同県について、がん検診受診率が高く、野菜摂取量が多いことが背景にあるとみている。愛知県は、男性が73.06歳で3位(同12位)、女性は76.32歳で1位(同18位)だった。愛知県の躍進に関しては、今後の調査が待たれる。

 なお、今回の調査は、国民生活基礎調査で「健康上の問題で日常生活に影響がある」と答えた人の有無を基にしているため、回答者の主観に左右される側面があるという。
 
18/01/31●新著『手術するがん、しないがん』(彩図社、1月30日発売)のご案内

私の新著『手術するがん、しないがん』(彩図社、130日発売、1404円)が2018130日に発売されました。

 そこで、この本がどういう本であるのか? 本の「はじめに」に書きましたので、それをここに転載し、本の紹介にしたいと思います。日本人の2人に1人ががんになると言われていますが、私自身、すでに高齢者になったせいもあるのでしょう、周囲からがんの相談をよく受けます。そんなときの答えをまとめたものが本書です。

 

『手術するがん、しないがん』はじめに 全文掲載

  近年、がんが発見された高齢者が、手術を受けないケースが増えています。これは、じつは“いい傾向”であり、私自身も「75歳を超えたら手術はするべきではありません」と提唱しています。

 もちろん、がんの部位(胃がん、大腸がん、肺がんなど、どこにがんができたか)にもよりますが、実際のところ、手術を受けたより受けなかったほうが結果的によかったというケースは多いのです。

 高齢者の場合、当然ですが、体力が落ちています。「自然治癒力(しぜんちゆりよく)」(免疫力(めんえきりよく))も落ちています。したがって、がんの切除手術をすると、その副作用や肉体的負担に耐えられないために、かえって悪化させてしまうことが多いのです。合併症を起こしてしまったり、また、手術後の抗がん剤治療の副作用で衰弱してしまったりするのです。

 となると、手術を受けることが寿命を縮めることにつながってしまいます。

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17/10/10●新著『ブラック病院』(イーストプレス、10月10日発売)のご案内

私の新著『ブラック病院』(イーストプレス、1400円+税)が2017年10月10日に発売されます。

  現在、高齢化が急速に進むなかで、医療現場はそれに対応できず、多くの病院が「ブラック化」を深めています。医師も看護士も不足し、その影響を患者がもろに受けるようになってきました。これでは、病院や医者の勧められるままに、手術を受けたり、クスリを飲んだりしていていると、大変なことになりかねません。いったいどうしたらいいのか?という意識の下に、現代の医療の現実を赤裸々に描いたのが、この本です。

 私はもう30年以上も「間違いだらけの医者の選び」講演を続けていますが、患者さんの意識というのはいっこうに変わりません。しかし、もう病院や医者に頼り切るのはやめ、ご自身の判断で医療を受けるべきです。その参考になるためにと本書を書きました

   
 https://www.amazon.co.jp/ブラック病院-富家孝

すでに群馬大学附属病院、千葉県がんセンターでは、医者の勝手で腹腔鏡手術を受けた患者が次々に死亡し、近年最大の医療過誤事件に発展しました。また、高齢化と人口減で、地方では多くの病院が窮地に追い込まれています。首都圏でも聖路加国政病院、日本医科大、東京女子医大、独協医科大など、数々の大病院が赤字に追い込まれ、経営が悪化しています。

 これらの現状も取り上げ、いまの医療が、病院と医者側によっていかに歪められていることも告発しています。

[amazonの内容紹介]

間違いだらけの医者選び
なぜ、医療過誤(医療ミス)は続出するのか?
超高齢化が劇的に進行する現代ニッポンの医療は、まさに「ブラック化」が著しい。なぜなら、「医は仁術」という貝原益軒の教えはどこかに忘れ去られ、「医は算術」の時代に突入しているからである。MRIなど高額の設備投資の減価償却のために行われるフルコース検診と不要なブラック手術など、大学病院では日常茶飯事なのである。「ブラック病院」にはまさかの「手術ノルマ」も存在する! 
その結果、跡を絶たない医療過誤(医療ミス)が続出し、名門病院が次々と経営危機をむかえている。医師としてジャーナリストとして、また子息の医療過誤事件を体験した著者が、長年の知見をもとに現代医療の闇、「悪徳病院」、「ブラック化するドクター」の構造問題に鋭いメスを入れるノンフィクション!

 

 
17/07/28●平均寿命「女性87.14歳 男性80.98歳 で過去最高」と発表されたが----。

  2016年の日本人の平均寿命は、女性87.14歳、男性80.98歳で、いずれも過去最高と、27日に厚生労働省から発表された。前年に比べ女性が0.15歳、男性は0.23歳延びた。過去最高の更新は女性が4年連続、男性は5年連続。国際比較では男女とも香港に次いで世界2位となった。

 香港の平均寿命は女性が87.34歳、男性が81.32歳。日本の女性は15年に引き続き2位で、男性は4位から2位になった。香港に次いで2位といっても、世界に冠たる「長寿大国」なので、メディアはこれを誇らしげに報道する。

 しかし、この長寿大国の現実は、けっして誇れるものではない。なぜなら、日本は世界一の「寝たきり老人大国」だからだ。

 現在、全国で約200万人の高齢者が、寝たきりで暮していると言われている。そのなかには、人工呼吸器を付けて生かされている人、口から食物を摂れなくなったのに胃瘻を取り付けられて生かされている人などが、何十万人もいるはずだ。この人たちは、自身ではなにもできず、他人の支えがなければ生きていけない。これが「長寿大国」の現実だから、平均寿命がいくら伸びても意味はないのだ。

 問題は、いくつまで健康で、他人の助けを借りずに暮らせるからだからだ。

   

  厚労省では、4年ごとの調査に基づいて、健康寿命を発表している。それによると、男性は71.19歳、女性は74.21歳(2014年現在)。

 とすると、平均寿命で死ぬと仮定すると、男性で約9年、女性で約13年もの期間が「健康ではない期間」があることになる。ここに掲載した図が、その健康ではない期間を端的に表している。

 平均寿命より、不健康期間を短くすることが、本当の高齢者対策であり、本当の医療ではないだろうか?

 

 
17/04/28●高齢がん患者に対する治療のガイドライン作成に着手。遅すぎる。

「政府は、高齢がん患者に対する抗がん剤治療の効果について大規模な調査に乗り出す方針を固めた」と、新聞各紙が書いている。はっきり言って、ここまで高齢化社会が進展したいまとなっては、あまりに遅すぎたと言えるだろう。

 この方針を決めるに先立って 国立がん研究センターは200708年に同センター中央病院で受診した約7000人のがん患者を対象にした予備調査を実施。がん種別(肺がん、胃がん、大腸がん、乳がんなど)に、抗がん剤治療を受ける患者と、痛みを緩和する目的での放射線治療などの緩和治療中心の患者に分け、それぞれどれくらいの期間存命したかという生存率を年齢別に比較した。

 その結果、75歳未満では「抗がん剤治療あり」の方が延命効果が高かったが、75歳以上では大きな差が出ないとの結果が出たという。

 私は以前から「75歳以上でがんが見つかったら手術はしないほうがいい」と提唱してきた。したがって、高齢になって抗がん剤などやるべきでないのは言うまでもない。抗がん剤と手術はほぼゼットだから、この結果にはうなずけるが、それでも「75歳未満で効果あり」としているのは何歳までのことを言うのだろうか?

 人間は60歳後半から急速に老化していく。そんななかで抗がん剤は免疫力を大きく低下させる「毒」でしかない。

 
16/10/30●新刊『不要なクスリ 無用な手術 医療費の8割は無駄である』(講談社現代新書)のご案内

このほど、講談社新書から『不要なクスリ 無用な手術 医療費の8割は無駄である』を出させてもらいました。本書のテーマは、タイトルにあるように、病院や医者の都合にまかせて勧められるままに、手術を受けたり、クスリを飲んだりしていているだけでは長生きは出来ない、という極めて切実なものです。

 私もすでに60代後半、これまで「患者さんの立場から医者と医療について執筆活動をしてきましたが、最終的に、こうしたテーマに行き着きました。

 現代の医療はさまざまな問題を抱えています。そんななかで、いかに長生きして、すこやかに死んでいけるのか?

それを追求しています。

【以下、本書の目次です】

第1章 65歳以上は年に70万円という医療費のカラクリ

第2章 医者はこうして稼いでいる

第3章 「糖尿病」「高血圧」生活習慣病のお値段

第4章 飲み続けていいクスリ、無駄だけのクスリ

第5章 誰も知らないがんの治療費のこれから

第6章 「部位別」10年生存率と、無用ながん手術

第7章 800万円「介護」の費用と「終の棲家」選び

第8章 「終末期医療」の相場と「達観する勇気」

  

https://www.amazon.co.jp/不要なクスリ-無用な手術-医療費の8割は無駄である-講談社現代新書-富家/dp/4062883953/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1482916829&sr=1-1&keywords=富家孝

出版社:講談社(講談社現代新書)

定価:864円

発売:2016年10月19日

 
16/10/20●現在「Business Journal」で「危ない医療」を連載中です
ウエブメディア「Business Journal」で、現在、「危ない医療」として、月に1度、記事を書いています。

http://biz-journal.jp/series/takashi-fuke-medical/

 最新の2本を紹介します。

2016.10.15)異常な医学部ブームの罠--- 6年間通った末に低収入&激務、儲けるのは困難

2016.08,21)大橋巨泉さんは、不適格な医師に「殺された」のか? 在宅医療の危険な問題点が露呈

 
15/10/02●医療事故調制度が発足。しかし、本当に機能するか疑問

101日、すべての病院や診療所などに医療死亡事故の報告を義務付ける医療事故調査制度がスタートした。この制度はでは、事故が発生した際に、医療機関は第三者機関に自ら届け出たうえで自ら調査することが義務付けられる。

 たとえば、医療機関が「予期せぬ死」と判断した場合、第三者機関である「医療事故調査・支援センター」へ報告する。と同時に、病院自らが院内調査を開始する。一見、よくできた制度だが、はっきり言って、これで医療事故が少なくなるということはないだろう。

 なぜなら、 「医療事故」かどうかは医療機関が自ら判断するので、事故が起こっても内部隠蔽してまえば調査は行われないからだ。しかも、届け出ても調査は医療機関が自ら調査する。つまり、これが典型的なアリバイづくりのザル法だ。

 
15/09/15●拙著をもとに「日刊ゲンダイ」インタビュー記事が
 拙著『「死に方格差」社会』(SB新書)をもとに、日刊ゲンダイでインタビュー記事をやってもらいました。「彼岸に考える理想の死に方」というタイトルで、現代では早くから準備しておかないと、理想的な死に方はできないと訴えました。

 今後、医療費がどんどん膨らむため、国は国民ひとりひとりの面倒が見切れなくなります。介護施設も医療機関も足りません。つまり、公的には面倒を見切れないので、自助努力で死んでくれというのが国の方針です。死に方にも格差が付くのです。

 そんななかで、ではどうしたらいいのか? 的確な答えはありませんが、ともかく死への準備は早くから始めるべきでしょう。

  

 
15/08/20●新著『「死に方格差」社会』(SB新書、864円)のご紹介 PDF 印刷

この812日に、私の新著『「死に方格差」社会』(SB新書、864円)が、ソフトバンククリエイティブから発売されました。本書はサブタイトルにあるように、「医者の言いなりならず望み通りに人生を終える法」を考えたもの、つまり、「医者が考える終活本」です。

 今年の4月まで、夕刊フジで連載した「死に方事典」の内容をふまえて、大幅に加筆しました。団塊世代が後期高齢者になる2025年問題を見据えて、私たちはどうすれば「いい死に方」ができるのかを、さまざまな視点で考えてみました。ぜひ、ご参考にください。

      『「死に方格差」社会』(SB新書、864円)

 なお、以下が本書の「目次」です。この後、「はじめに」の部分をここに掲載します。

■『「死に方格差」社会』目次

                はじめに

第1章       大きく変わる日本人の「死に方」

第2章       死ぬとはどういうことなのか?

第3章       「老化」とは「病気」は違うもの

第4章       ガンで死ぬということについて

第5章       世の中の「健康情報」に騙されるな

第6章        こんな検査・治療は拒否していい

第7章       どうしたら健康で長生きできるか?

第8章       信頼できる医者の探し方、選び方

第9章       「死に方格差社会」を乗り切るには?

                おわりに

 

■『「死に方格差」社会』はじめに

 

 医者を長年やってきてつくづく思うのは、人は自分が思ったようには死ねないということだ。若いときは自分が死ぬことなど考えもしないで、患者さんの病気や死を見てきた。医者だから、死は見近かだったが、死を意識したことはなかった。

 それが、60歳を超えてからは、自分の死を次第に意識するようになり、いまでは、どのように死んだらいいのかとよく考えるようになった。

 

 私は医者としてはかなり特異な経験をしてきた。代々の医者の家に生まれた私は、当然のように医大に進学して医者になったが、独立心が旺盛だったために開業医となり、いっときは病院経営者として8つの病院を切り盛りしていた。しかし、ビジネスの才覚はなく、あえなく倒産していまい、それからは医療にかかわるあらゆる仕事を経験した。

 スポーツドクターとしてスポーツ選手のアドバイザーをしたり、大学の講師をしたり、さらに病院経営のコンサルタントや医師派遣業などもやり、この間、医療ジャーナリストとして日本の医療のあり方を考えてメディアの仕事を続けてきた。そうしながら、数多くの本を書かせてもらったが、本書はこれまでの私の本とは趣を異にしている。

 なぜなら、「死」がテーマだからだ。

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15/07/25●新刊『死に方格差社会』(ソフトバンク新書)が来月発売されます PDF 印刷 Eメール

 8月半ばにソフトバンククリエイティブから『死に方格差社会』(SB新書)を出すことになりました。これは、この4月まで夕刊フジに連載していたコラム「死に方事典」をベースにして、今後の私たちの死に方を社会的、医学的に考えてみたもの。

 誰もが「いい死に方」をしたいのですが、その望みはほとんど叶わない社会になろうとしています。なぜなら、政府は2014年度の診療報酬の改定と併せて、「入院を減らし在宅を重視する」方針を明確に打ち出したからです。これは、簡単に言うと、「これからは病院では看取りませんよ」ということです。

 つまり、死に方も「自己責任」となり、自分で選択しなければならない時代になったと言えます。

 新刊の内容については、またお知らせします。

 
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