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21/07/16●夕刊フジで「スポーツ医学から見た東京五輪」を連載中

とうとう強行開催されることになった東京五輪。開幕まであとわずかの今週、『スポーツ医学から見た東京五輪』を夕刊フジで5回、連載しています。

 コロナ禍で、まったく盛り上がらないなか、「アスリートファースト」という言葉もただ虚しく響くだけですが、今回の五輪は、スポーツ医学の進歩から見ると、画期的なことばかりです。もはや、アスリートの体は肉体改造の限界までいっており、それも遺伝子レベルで行われています。

 五輪レベルのスポーツは、もはや「努力」などとは無縁の世界です。メダルの「感動」といっても、それは一般人の感覚をはるかに超えた世界で行われているのです。

  連載2回目掲載分 

 
21/05/01●読売新聞サイト「ヨミドク」のコラム連載「死を想え」まとめ

月、1,2本のペースで、「死」に関してのエッセイを書いてきました。以下、この1年間のまとめです。

https://yomidr.yomiuri.co.jp/column/fuke-takashi/

 

2020430日 「命の選別」が始まったコロナ緊急事態……高齢だから治療を諦めるよう求められたら!

2021324日 コロナ禍で子供の自殺が過去最多の499人、子供は時に現実よりも空想の世界が大きい……鬼滅は激しい世界と知っておきたい

202133日 森元首相も受ける人工透析 日本で増え続けるのはなぜ?

2021117日 医療崩壊の最大の問題、どの患者を救うか選ぶ「トリアージ」は医者任せでいいのか?

2021111日 コロナ禍で、人生の始まりと終わりの仕事、産婦人科と葬儀場が窮地に

20201229日 人に知られず死んでいく「孤独死」、実は4割が現役世代、コロナ禍で増加の心配も

2020127日 コロナ禍の下、女性の自殺者が激増、日本の女性差別が生み出す悲劇

2020116

手術を3回体験して思う「30年前なら生きていない」!?……心臓病検査のすすめ

2020929

「迷惑をかけたくない」という日本人の死に方……藤木孝さん80歳の自殺に思う

2020730

ALS患者の嘱託殺人事件から、「死ぬ権利」「安楽死」について考える

202076

新型コロナで忘れられた「多死社会」の現実……毎日3500人以上が死亡、どう向き合えばいいのか?

202068

新型コロナ、高齢、糖尿、心臓病、前立腺がんの私に今できることは?

2020427

新型コロナ死亡者は報告数よりもっと多いのでは?

 
21/04/21●夕刊フジで「70歳定年どう生きるか?」を5回連載 PDF 印刷 Eメール

今年の41日から、「70歳就業法」(正式には「高年齢者雇用安定法」の改正)が施行されました。これにより、事実上定年がなくなり、働きたい人は70歳まで働けるようになりました。しかし、これはいいことなのでしょうか?夕刊フジの連載(5回)で、現実に立って、高齢社会の生き方を考えます。

 その第1回の原稿を、ここに再録します。

  

「70歳就業法」で死ぬまで働くことに!? 「高齢者は働くことを望んでいる」政府の“美しき嘘”

https://www.zakzak.co.jp/lif/news/210420/hea2104200003-n1.html

  この4月1日から「70歳就業法」(正式には「高年齢者雇用安定法」の改正)が施行されました。事実上定年がなくなり、「ハッピーリタイア」「余生」などという言葉は、ほぼ死語になったと思っています。 

 「70歳就業法」は、ひと言で言うと、希望する社員が70歳まで働けるように企業に努力義務を課すというもの。努力義務とはいえ、ほぼ強制です。そのため、企業は、現在65歳とされる定年制を廃止するか、定年を繰り上げるか、あるいは定年後も雇用を続けるなどの対応をせざるを得なくなりました。

 ついこの間まで、定年は65歳でした。それがいきなり70歳。しかも、今回は働くといっても、業務委託でもいいので、その場合は会社との雇用関係はなくなります。

  つまり、労災や雇用保険の対象外となり、年末調整がなくなって確定申告が必要となります。労働法の保護は受けられないし、過重労働を防ぐための労働時間規制も、最低賃金も適用されません。事故に遭っても労災による救済が不十分なうえ、社会保険料の事業主負担もなくなります。

 政府は「70歳まで働けます」「人生100年時代の新しい働き方」などとしていますが、表向きの話に過ぎません。

 私たち医者には、定年がありません。医師免許を持っている限り、いつまでも医者として働くことが可能です。だからといって、知力も体力も落ちれば、続けるのは不可能です。とくに外科医などは体力勝負なので、さすがに65歳を超えれば引退を考えます。

 会社員の場合も、はたして、これまでの通りの仕事が続けられるものなのでしょうか?

 

 政府もメディアも、高齢者が働き続けることを歓迎しています。いつまでも若くて元気であることが、奨励されています。しかし、多くの高齢者は、働かないで暮らしていけるなら、働きたくないはずです。ところが政府は、「高齢者はみな引退を望んでいない。いつまでも働くことを望んでいる」と言うのです。

 

 総務省の「就業構造基本調査」によると、「働きたいが働いていない高齢者」の割合は、60~64歳は15%、65~69歳は22%、70~74歳は27%と、年齢が上がるにつれ高くなっています。こうした調査をもとに、政府は「高齢者は働く意欲はあるものの、雇用の受け皿が整備されていない」として、今回の法改正をしたと説明しています。

 

 しかし、私に言わせれば“美しき嘘”です。医療現場で多くの高齢患者と接してきましたが、高齢者の本音は「働かなくてすむなら働きたくない」です。ただ、調査ではそんなことは言えません。「働かないと食べていけない」「年金だけではやっていけない」などとは言わず、単に「働きたい」と答えるのです。

 

 「70歳就業法」が施行される前の厚生労働省の調査では、70歳以上の高齢者が働ける制度を設けている企業数は、全企業の31・5%、約5万社でした。このうち3割以上が中小企業で、たとえば町工場などでは、慢性的な「人材不足」からそうしていたのです。ここに、「70歳就業法」が導入されたというわけです。

 

 人間、65歳を過ぎると老化のスピードは早まります。現在、「健康寿命」は、男性が72・12歳、女性が74・79歳。昔に比べ、いまの高齢者はたしかに元気です。しかし、70歳まで働けば、その後のわずかな期間しか健康で元気に暮らせません。「生涯働き続けで死ね」と言っているのに等しいのではないでしょうか。どう対処するべきか。次回に続きます。

 
21/02/25●夕刊フジで【医者の体験告白記 心臓手術3回を乗り越えて】を5回連載

これまで、私は3回、心臓の血管の手術を受けています。いずれも、南淵明宏医師にやってもらいましたが、この手術がなかったら、こうして元気で生きてはいられなかったでしょう。この体験を、ありのまま書いてほしいと「夕刊フジ」から依頼されたので、5回(1週間)にわたって書きました。

 以下、第1回原稿を再録します。

 

https://www.zakzak.co.jp/lif/news/210216/hea2102160003-n1.html

【医者の体験告白記 心臓手術3回を乗り越えて】狭心症などの心疾患、今の医療では「早期発見」でほとんど助かる がんと同様に心臓検診受けて

 

 現在73歳の私が生きているのは現代医学の発展のおかげです。循環器系の手術が、ここ20~30年で急速に進歩したからです。「早期発見、早期治療」と言うと、がんを思い浮かべる方が多いと思いまが、これは心疾患(心臓の病気の総称)にも通じることです。私にこの思いが強いのは、これまで3回も心臓の手術を受けて助かったからです。医師の私が体験した最新治療を5回に渡ってリポートします。

 

 いまはコロナばかりが注目されていますが、「心疾患」は重大な病気です。日本人の死因の第1位「悪性新生物」(がん)に次いで、死因の第2位が「心疾患」であり、年間で約20万人が亡くなっています。このうち、約3万5000人が「急性心筋梗塞」、同じく約3万5000人が「虚血性心疾患」で、これらは発症する前に発見、早期治療をすれば助かることが多いのです。

  私が人生で3度目の狭心症の手術を受けたのは、昨年の10月でした。背中に重い荷物を背負っているような感じがし、動くとすぐ息切れがしたので、「また来たのか」と思いました。

 それで、すぐに心臓外科医の南淵明宏氏に連絡を取ったのです。南淵氏に関してはあえて書くまでもなく、心臓外科医として第一人者で、私はこれまで2回、彼に世話になり2012年に直接手術をしてもらいました。

 

 まず、彼のクリニックに行き、CTを撮ってもらうと、案の定、右冠動脈が詰まっていました。それで、昭和大学横浜市北部病院に入院し、ステント留置の手術を受けたのです。この経緯に関して、この連載の最後に書くので、ここでは、冠動脈の手術が、いまどのように行われているかを述べてみます。

 

 冠動脈は、心臓の筋肉に酸素や栄養を送っている血管で、心臓を冠状に取り巻いています。冠動脈には、左冠動脈、右冠動脈があり、左冠動脈は途中で2つに分かれ、前下行枝や回旋枝が左心室や心房を中心に血液を送っています。

 したがって、これが動脈硬化などで閉塞し、心臓が酸欠状態に陥ると狭心症になります。閉塞が突発的に起こると急性心筋梗塞となって、死に至ることがあります。助かっても後遺症が出るケースが多く、心臓疾患ほど怖いものはありません。

 

 じつは、私の父は70歳で突発性の腹部大動脈瘤破裂を起こし、その日のうちに亡くなっています。そのため、私もいずれ血管系の疾患に襲われるだろうという予感がありました。それが、現実化したのが、57歳のときです。このときは、朝方に左胸が痛くなり、冷や汗が出たので、知遇のあった南淵医師に連絡し診てもらったのです。

 

 診断は、左冠動脈前下行枝の一部の閉塞で、循環器内科でステント留置手術を受けました。2度目はそれから8年後、同じように痛みが出たので検査すると、今度は左冠動脈の上部がほとんど詰まっていた。このときは開胸してバイパス手術を受けました。かつて、狭心症などの心疾患は、手術法がありませんでした。ステント留置手術もバイパス手術もありませんでした。私が医学生のころは、心電図を撮ってただ冠拡張剤を処方するだけでした。いまでは早期発見すればほとんど助かります。

 

 ところが、みなさん、がん検診ほど心臓検診を受けません。私のように自覚症状が出てからでは手遅れの場合もあるので、検査を受けることをお勧めします。たとえば動脈瘤は、9割以上が自覚症状なく大きくなり、破裂して初めて症状が出ます。破裂してからでは遅いのです。

 
21/01/06●再び「緊急事態宣言」が。コロナはインフルエンザに置き代ってしまったのか?

今日の東京都の感染者数は、1591人で過去最高を記録した。また、全国では、1日の発表としては初めて6000人を超えて過去最多となった。もはや、感染拡大は止まらない状況だ。これまで後手後手を繰り返してきた政府は、とうとう尻に火がついて、ついに「緊急事態宣言」をする運びになった。

 

 それにつけて思うのだが、毎年、この季節にピークを迎えるインフルエンザはどうなってしまったのだろうか?

 

 厚生労働省は、毎年、9月から翌年5月末までの間、1週間ごとにインフルエンザ患者の発生状況をまとめて公表している。それによると、91日を含む第36週から第50週(2020127日~13日)の15週間の累積の患者数は、全国でたった383人。過去5年間の同期間の平均患者総数は約9万人だから、2020/21年シーズンの患者数は0.5%以下である。

 新型コロナウイルス感染が拡大する東京都では、第501週間の患者数はたった4人だった。

  

 ということは、コロナの感染拡大がインフルエンザにとって代ってしまった。そういうことなのだろうか?しかし、コロナに関しは、インフルエンザのような「季節性」はほとんどないと言われている。真夏の南アフリカで変異種が出現し、感染拡大が止まらないのだから、「冬に流行する」という特性はないはずだ。

 インフルエンザはどこに行ってしまったのか? 本当に不思議である。

 
21/01/03●コロナ禍で「在宅死」が増加。在宅死を選択するということとは?

 このテーマで、「経済界」2月号の連載「人生100年時代の養生訓」に書きました。以下、収録します。

 

コロナ禍で進む病院離れ。幸せな「在宅死」という選択は可能か?

  コロナ禍は高齢者の生活を直撃した。とくに、人生の後半を穏やかに過ごそう、そうして安らかに死んでいきたいという人々の生活を変えてしまった。多くの人は、病院が嫌いだ。だから、本当はいくら死期が近づいたと思っても自宅で過ごしたい、施設や病院で過ごしたくないと思っている。しかし、この思いは、現在の医療体制ではかなわない。それで、仕方なく、施設や病院に入っているのだ。 

 厚労省は「病院から在宅へ」を進めてきたが、在宅医不足、介護者不足で、これまでほとんど実現していない。それで仕方なく、2018年から制度変更して「介護医療院」を新設した。ここは、医療・介護・住居がセットになったもので、死を迎えるまでの「終のすみか」になり得る。ところが、制度はできても、まだまだまったく足りていない。

 その結果、いまでも多くの人が病院で死を迎えているのが実情だ。日本の「病院死」は、死全体の約8割に達している。これは、5割以下の欧米諸国に比べて圧倒的に多く、幸せな死に方とは言い難い。

 

 そんなところにコロナ禍がやってきたのである。「医療崩壊」になってしまうのは、当然だ。

 

 懇意にしている都内の拠点病院の院長はこう言う。

「コロナ禍になってから、患者さんの病院離れが進んでいます。一つは、コロナが怖いということ。通院はもとより、入院も減っています。感染したらたまらないというのです。もう一つは、入院してしまうと家族に会えなくなること。こういう方は、終末期患者さんに多く、家族と最期のときをいっしょに迎えられないのを嫌がるのです」

 さらに、病院側の事情もある。在宅患者の緊急入院の約4割が肺炎や尿路感染などの発熱性疾患である。こうした患者に対し、新型コロナ感染症の除外診断ができていなければ入院を拒否するところは多いのだ。

 

 このような“病院離れ”のせいか、在宅での看取り件数が大幅に増えている。在宅医や在宅専門診療所からは、「最近、本当に看取りが多くなりました」という声が聞こえてくる。これは、統計にも現れている。

 「病院死から在宅死」へ。なかなか進まなかったことが、コロナ禍で進むのは皮肉な結果だが、ここで、忘れてはならないことがある。それは、前記したように、在宅医療、在宅死の環境が日本では整っていないことだ。

 私の時代は、具合が悪くなったら、まず近所の医者に診てもらい、その医者が往診に来てくれて、自然にかかりつけ医になり看取りまでしてくれた。しかしいまは、自ら在宅医を確保し、訪問看護サービスを受けなければ、在宅死はできない。

 

 単縦な話、自宅で看取りをするには、三つのことをクリアしなければならない。一つ目は、同居する家族がいること。いうまでもなく、看取りの場には家族がいる必要がある。二つ目は、在宅医を確保し、24時間対応の訪問看護師のサービスを受けること。三つ目は、終末期治療にあたってどこまでするかを自身で決めるか、家族と話し合って決めておくこと。つまり、「生前意思」をはっきりさせておく必要がある。

 普通、自宅で死ぬことを「在宅死」と呼ぶが、厚労省の統計では、老人ホームなどでの死も「在宅死」としている。そして、それができるのは4人に1人。コロナ禍で、在宅死が増えたというのは、施設での死がほとんどと思われる。

 人生を自分の家で幸せに終えるためは、生前のよほどの努力が必要である。コロナ禍は、このことを私たちに教えてくれている。

 
20/12/10●米英でワクチン接種が始まる。日本はワクチンで完敗。

米英で、いよいよワクチン接種が始まった。英国ではアストラゼネカとファイザー。米国ではファイザーとモデルナの2種のワクチンによって、今後、全国民への接種を目指す。少なくとも人口の56割、よくて8割までいけば、集団免疫ができて、感染拡大は止まるだろう。

 

 現在、日本では、ワクチンに対して懐疑的な見方が強い。メディアも専門家も口をそろえて、「効果があるあかどうか未知数」と言っている。なにしろ、初めての「mRNA」(メッセンジャーRNA)ワクチンだから、評価しようがないのだ。しかし、たとえばモデルナは、最先端の遺伝子研究をもとにしたベンチャーで、アメリカ政府がワクチンは安全保障にかかわる戦略物質として、大金を投じている。 

 接種が始まれば、いずれ結果が出て、人々はこぞってワクチンを求めるだろう。

 

 それにしてもわが国は、ワクチン開発でボロ負けである。そもそも、開発しようという気概もなければ、政府の認識も甘すぎた。ワクチン開発に投じられた政府予算は600億円とされ、米国の20分の1という。

 政府はファイザー、モデルナ、アストラゼネカから供給を受けることで合意している発表しているが、いつ接種が始まるのか、まったくわからない。

  

 
20/11/20●時事通信社「内外情勢調査会」で講演

時事通信社「内外情勢調査会」の講演。秋田ビューホテルにて行いました。講演テーマは、「間違いだらけの医者選び」。

  

 
20/05/25●夕刊フジで、精神科医の吉竹弘行氏と緊急連載『コロナ禍が心を蝕む』を開始

コロナ禍は、新型コロナウイルス感染症ばかりではなく、人間の心も蝕んでいる。コロナ禍が起こってから、精神科を訪れる患者が増えたという。「自粛疲れ」「コロナうつ」という言葉もできた。

 そこで、精神科医の吉竹弘行氏(明稜クリニック院長)に私が実情を聞くというかたちで、夕刊フジで連載をすることに。第1回は、「コロナうつ患者」に関して、几帳面な人、頑張りすぎる人がなりやすいということを話してもらった。

  

 
20/05/23●緊急事態宣言が解除で思う。なぜ、日本はコロナ被害が少なくすんだのか?

新型コロナウイルス の感染拡大が起こってから、世の中はすっかり変わってしまった。医療従事者の1人として思うことは山ほどあるが、専門外なので、ほとんど発言を控えてきた。また、仕事のかたちも以前とはまったく変わってしまった。

 そして、2カ月あまり、47日に出された「緊急事態宣言」が、ようやく解除の運びになった。そこで、思うのが、すでに欧米メディアも疑問を呈しているが、なぜ、日本は欧米諸国に比べて、コロナの被害がここまで少なくすんだのかということだ。

 人口100万人当たりの死者数を見ると、アメリカが300人ほど、イタリア、スペイン、フランス、イギリスなどの欧州諸国が500人を超えているのに、日本は6人である。二桁も差がある。

  Photo:NIAID 

 いったいなぜ、こんなことが起こるのか? 誰が見ても、日本のコロナ対策は後手、後手で、失敗続きである。それが、成功したと言われる台湾や韓国とほとんど変わらないレベルに抑えられているのだから、その理由を徹底して解明してもらいたいと思う。

 ウイルス変異説、BCGワクチン摂取説、マスク説、日本人の生活文化スタイル説など、諸説あるが、どれも一長一短がある。

 
20/02/25●読売新聞サイト「ヨミドク」にコラム連載して1年。死に関して想ったこと。

昨年の3月から、月に2本ペースで、「死」に関して想うことを、時事の話題にからめて書いて、ちょうど1年がたった。そこで、以下、時系列でコラムのタイトルを列記しておきたい。

 

https://yomidr.yomiuri.co.jp/column/fuke-takashi/

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次々と“孤独死”する有名人……しかし、一人暮らしだから孤独というわけではない

2020213

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2020127

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20191230

1月の窒息死者数は1300人……主犯はお餅!?

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梅宮辰夫さんの死は覚悟の「がん死」なのに、なぜ、死因は「腎不全」?

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「医師を呼んで!」と訴えた患者 放置され死亡…京大が犯した3つの「開いた口がふさがらない」重大ミス

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今年の冬は大流行の兆し! インフルエンザはなぜ撲滅できないのか?

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台風による千葉の大規模停電で改めて思う。なぜ日本は「病院船」を造らないのか?

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がんで死ぬのは幸せか?

2019812

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「心不全」「呼吸不全」、訃報欄にあるけど、本当の死因は?

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「老衰」が増えることの意味、医師は自然な死を知らない

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「理想の最期」を体現した樹木希林さん 30代で語った死生観とは

2019513

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2019415

デスツーリズム(安楽死の旅)という選択~死はだれのものか

2019318

75歳過ぎてがんと言われたら~「闘う」より「受け入れる」という生き方

201934

70歳を過ぎて身近になった死

 
19/12/02●75歳以上2割負担で医療費が「8000億円削減できる」と言うが----。

12月半ばに決められる医療費を含めた社会保障費の改定をめぐって、政府内で激論が続いている。そんななか、121日、75歳以上の受診時の窓口負担を「原則1割」から「原則2割」に引き上げた場合、公費や保険料でまかなう医療給付費を年約8000億円減らせると厚労省が試算していると「朝日新聞」が伝えた。となると、すでにこれは決定事項で、残すは時期の問題だけということになる。 

 窓口負担を含めた2018年度の医療費は約43兆円に上っている。そのうち約16兆円が75歳以上の医療費。ここを抑制しないと、医療費は今後も雪だるま式に増えて、財政を圧迫する。現在の1割負担から2割負担にすれば、高齢者の足が病院から遠のくということである。

 すでに、2020年度の診療報酬の改定はマイナスになることが決まっている。これに医師会は強く反対してきたが、健康保険組合や経済界などは、積極的に賛成してきた。

 今後、高齢者の医療費はどんどん削減されていくだろう。

 

 
19/11/26●「血液1滴でがん検出、精度99%」を東芝が開発で話題に

1125日、東芝が、東京医科大などと共同で、1滴の血液から13種類のがんを発見できる検査装置を開発したと発表して、メディアで大きく取り上げられている。

 装置は、がん細胞が血液中に放出する核酸分子「マイクロRNA」の濃度を検出することで、がん患者と健常者を99%の精度で識別することに成功したという。「マイクロRNA」は、がんのタイプにより放出する量や種類が異なることが分かっている。東芝はこのマイクロRNAに着目して、検出装置の開発に成功したという。

 実現すればすごいことが、実証試験は来年から。実用化には数年を要するという。

 
19/09/01●前立腺がんと診断されても、私がそのまま放置している理由

 

じつは、この6月、私は「前立腺がん」だと確定診断されましたが、そのままにしています。普通は手術するのですが、まったくやる気がありません。その理由を、夕刊フジのコラムに書きましたので、以下、その原文を再録します。

 

前立腺がんの確定診断から数カ月、なぜ私はがんを放置しているのか?(上)

  じつは、私はいま前立腺がんを患っています。がん宣告を受けたのは、今年の4月のこと。ダイナミックMRIによる検査の結果、「ステージはT2で、大きさは1センチほどです」と告げられました。

 一般の方なら、がん宣告を受けるとショックを受けます。しかし、私はこの結果を予期していたため、やはりと思っただけでした。そして、今日まで、ほぼなにもしていません。懇意の専門医に頼んで免疫療法を試してもらっていますが、それだけです。つまり、がんを放置しています。

 

 前立腺がんには、3大標準治療とされる、「手術(外科治療)」、「放射線治療」、「ホルモン治療」があります。このうち、たいていの場合、医者は手術を勧めます。この3つを組み合わせることもあります。しかし、私はすべて拒否。拒否というより、はなから手術は考えていませんでした。

 というのも、前立腺がんは進行が極めて遅いがんだからです。たとえ放置しても、暴れ出すことはほとんどなく、寿命をまっとうできる可能性のほうがはるかに高いのです。

 

 私の場合、10年ほど前から、血液検査によるPSA(前立腺特異抗原)の数値が高めでした。PSA数値が高いと、前立腺肥大や前立腺がんが疑われます。PSAの基準値は5064歳で3.0ng/mL以下、6569歳で3.5ng/mL以下、70歳以上4.0ng/mL以下です。

 私は、10.0ng/mLを超えていました。ですから、がんがあって当然なのです。

 

「そんなに数値が高いのに放っておいていいんですか?」と、事情を知らない人は聞いてきます。これには「いいんです」と答えるほかありません。

 なぜなら、PSAを問題にするのは、ほぼ日本だけだからです。アメリカの場合、PSA検査はほとんど無意味とされ、高くても日本のようにすぐに「生検」とはなりません。

 この生検がまた曲者で、これをやったために、出血多量で体調を壊した、また腎不全になったという方がいます。前立腺がんの生検は、直腸あるいは会陰部から針を刺入して細胞を採集します。これはけっこう難しく、下手な医者がやるとかえってこじらせてしまうのです。

 そのため、私はダイナミックMRIという体を傷つけずにすむ方法で、確定診断をしてもらったのです。

 

 私の確定診断の「ステージT2」というのは、がんの進行度の分類法である「TNM分類」のT(原病巣)が、2であるということです。T1だと初期がん、T2はそれが進んだ状態、T3になるとがんは浸潤していて、T4になるとリンパ節や骨などに転移しています。つまり、私のがんは前立腺内に留まっている状態で、1センチ大というわけでした。

 

 これなら、私としては、想定内であり、まったく問題ないのです。ところが、医者は、このような初期がんでも、たいていの場合、手術を勧めてきます。前立腺と精のうを摘出し、その後、膀胱と尿道をつなぐ、前立腺全摘除術が一般的で、これを行おうとするのです。しかし、手術したほうが、結果はよくありません。

 私は手術したために、尿失禁になった、性機能を失ったという人を数人知っています。性機能を失うとうのは、ずばり勃起不全で、前立腺の周囲には勃起に関わる神経が走っていて、前立腺を摘出する際に、その神経を切断してしまうことがあるからです。

 そういうこともあって、アメリカでは、前立腺がんの手術はほとんど行われていません。それなのに、なぜ、日本の医者は手術をしたがるのでしょうか?

 次回は、これを説明します。

 

前立腺がんの確定診断から数カ月、なぜ私はがんを放置しているのか?(下)

 

 前回述べたように、私は、ステージT2の初期の前立腺がんと診断されましたが、今日まで、がんを放置したままにしています。下手に手術を受けるより、このほうがずっと安心、自然に暮らせるからです。

 ところが、医者はたいてい手術を勧めます。

 

 昔は開腹手術でしたが、最近は、腹腔鏡手術、ロボット支援下手術(ダヴィンチ)が主流になりました。とくにダヴィンチが導入されてからは、これを使う医者が増えました。2012年に、ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘手術が保険適用されると、そこから一気に手術数が増えたのです。つまり、医者は患者さんのことより、こういう高額な医療機器の減価償却を急ぐため、手術を勧めるのです。

 もちろん、手術は診療報酬の点数が高いという理由もあります。さらに、泌尿器科というのはどちらかというと地味な科目なので、手術が入ると活気づくということもあります。

 

 近年、前立腺がんはものすごい勢いで増えています。厚労省の統計によると、前立腺がん患者数は1990年(平成2年)の26000人から2014年(同26年)には211000人と、なんと8.1倍にまでになっています。

 その原因として、次の3点が挙げられています。

 

1、食生活の欧米化(動物性脂肪の摂取の増加)
2
、日本人の高齢化(高齢者の増加)
3
PSA検査の普及(早期がんの発見の増加)

 

 このうち、23、とくに3がもっとも大きな原因です。

 前立腺がんは歳をとるにつれて発症率が高まるので、高齢化により患者が増えたのは間違いありません。しかし、検査をしなければがんは発見されません。つまり、PSA検査が普及したことが最大の原因なのです。

 私もPSAの数値が高いので、しばらくはほうっておいたのですが、今年になって確定診断をえようと、ダイナミックMRI検査をしたところ、がんが判明したのです。

 昔は、前立腺がんなどほとんどありませんでした。それは、PSA検査がなかったから発見されなかったというだけの話です。だから、患者さんが死亡して解剖してみたらがんがあったというケースが多かったのです。

 

 アメリカでも前立腺がんは増えています。

 しかし、アメリカでは、「アクティブ・サーベイランス」という考え方が一般化していて、すぐに手術はしません。これは、たとえがんが見つかっても検査を続ける。そうして、いざ手術が必要になったと判断したときにだけ、手術を行うというものです。進行が遅い前立腺がんは、その典型的ながんです。私が、がんを放置しているのは、このためです。

 

 アメリカでは医者の言うことをそのまま受け入れず、「賢い選択」(チュージング・ワイズリー)をしようという運動が盛んです。この運動は、2011年に米国内科専門医認定機構(ABIM)財団というNPOが始めたものですが、いまや70以上の医学会や団体が参加しています。

 その「賢い選択」の一つが、「前立腺がんの早期手術は避ける」です。

 こうした「賢い選択」は、いくつもあります。

 たとえば、「肺がんのCT検査はほとんど無意味」「4歳以下の子供の風邪に薬を使ってはいけない」「大腸の内視鏡検査は10年に1度で十分」「リウマチの関節炎でMRI検査をするのは無駄」などです。

 

 前立腺がんに限らず、どんながんでも手術を選択するときは慎重であるべきです。自分の年齢、体力、平均余命を考え、がんの部位と進行度で判断するのが、もっとも賢明な選択です。そのとき、親身になって相談に応じてくれる医者がいるかいないかで、あなたの余生は決まると言っても過言ではありません。

 
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