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30%以下 PDF 印刷

米離れで減る摂取量


 米の摂取量が減っているという。筆者が小さい頃は、おかずというものがなく、ご飯を何杯お代わりしたものだが、今は、若い人など、お茶碗に一杯がせいぜいだとか。さらにパン食が普及して、1日3度の食事で、ご飯を食べるのは多くて2度、たいていは1度いうことになってきたらしい。

 昭和30年代あたりまでは、食品別摂取量の比較でみると、米が60%近くだった。それが、昭和50年代の高度成長期、おかず類が充実してきたことで、40%を切るようになってしまったのだが、ついに平成10年から30%も切ってしまった。高齢の人たちは、米の摂取量が減ってきた事を、いい傾向ではないかと喜んでいるかもしれない。というのも、昔は、米の食べ過ぎが太る元とされていたからだ。前でも紹介した30年前の家庭用異学辞典には次のように書かれていた。「日本人の死亡順位の上位を占める動脈硬化症や高血圧症の患者は、山形、秋田など白米を食べ過ぎがちな米産地帯にとくに多くみられる」と。若い人たちは大人から「太るよ」と言われ、米を食べなくなったのかもしれない。

 しかし、この当時と今とでは大きな違いがある。この文の前に「脂肪質の取りすぎと心臓病・動脈硬化症・肥満症との関係が話題になっていますが、現在の日本人の死亡の摂取量では、たいした問題にならないでしょう」と書いてあるからだ。つまり肉類などあまり摂っておらず、脂肪過多の心配のない次代、肥満の原因として、米が疑われたということだ。なんにせよ、食べすぎは栄養過多になり、肥満の原因にはなるだろう。今は、米の摂取量が減った代わりに、動物性食品が、この20年間に22%から24%へ増えている。米は重要なタンパク源だ。栄養のバランス上からももう少しご飯を食べるべきだ。
 
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