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富家孝の活動を知っていただき、みなさんと一緒にいまの日本の「医療」を考えます。

富家孝の連載Blog「これでいいのか日本の医療」

 医師・ジャーナリストという私の視点を通して、最新の医療ニュースを伝えるとともに、自身の活動の報告をしています。

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     よくお問い合わせいただくのですが、医療法人社団富家会 富家病院(埼玉)、

     富家千葉病院は、富家孝とは関係がありません。お間違いないようにお願いいたします。 



12/09/12●メディカルサポートセミナーで、「汚職」に関して講演、質疑応答 PDF 印刷

 このセミナーでは、医療関係者を側面からサポートするために、いろいろなテーマで研究会を開いてきた。前回のセミナーでは、2012年4月に、6年に1度の診療報酬・介護報酬の同時改定がされたことをふまえ、厚生労働省の堀先生にその具体的な内容と対策について詳しく解説をしていただいた。

 そして、今回は、「汚職摘発回避のためのセミナー:汚職の実態から取締側の論理まで」というテーマでの勉強会となった。医療機関のリスクマネジメントというと多岐にわたるが、たとえば、医療メーカーが病院側に医療機器などを売り込む場合、もしくは病院側が国公立大などに医師の派遣を申し込む場合、そのほとんどのケースが汚職と紙一重という実態がある。

   国際文化会館(東京・六本木)にて

 そこで、汚職にならないためには、どのような措置が必要か?

 「汚職摘発回避のためのセミナー」と題し、警視庁で33年間刑事警察一筋で、汚職捜査をやってこられた今井光秋先生に具体的な事例とその回避方法を詳しく解説していただいた。

  なお、講義後は個別の相談も多数あり、活発なセミナーとなった。

 
12/03/27●最新の講演の予定をお知らせします

「間違いだらけの医者選び」講演nの最新予定は、次のようになっていますので、よろしくお願いいたします。

■2012年5月7日(月)グランドハイアット東京

主催:六本木ロータリクラブ会合名:例会
仮題)間違いだらけの医者選び

■2012年5月16日(水)宮崎県都城市
■2012年5月17日(木)宮崎県日南市

主催:宮崎日日新聞社
会合名:宮崎政経懇話会(都城、日南)
仮題)間違いだらけの医者選び

 
12/01/10●講演会「間違いだらけの医者選び」を続けています PDF 印刷

 2012年が明け、経済・社会とも明るいニュースがありません。そんななか、私は今年もライフワークである「間違いだらけの医者選び」講演を続けています。団塊世代の退職も本格化し、これからの日本は本格的な高齢社会を迎えます。そうしたなか、第二の人生においても医者とのかかわりは重要です。そんなこともあって、この2月 には「60歳からの医者選び」というテーマで夕刊紙に連載をします。

   

  2011年12月9日(金)徳島市にて、共同通信社政経懇話会、徳島新聞滴翠クラブ12月例会

 

 2011年11月28日(月) 東京帝国ホテルにて講演 内外情勢調査会 商品先物支部懇談会

 
11/08/01●文藝春秋「同級生交歓」と、最近の医療講演会の報告 PDF 印刷

 現在、発売中の月刊「文藝春秋」(2011年8月号)の「同級生交歓」欄に、会い学大阪教育大学附属天王寺高校の3人の同級生と登場させてもらった。私たちが、卒業したのは東京オリンピックの翌年の昭和40年。当時の日本は高度成長時代にあり、同級生たちはみな、大きな夢を抱いて旅立った。あれから、40数年が過ぎ、本当に隔世の感がある。

 半世紀を経て同級生たちに再会すると、当然、東日本大震災の話になる。現役を引退した同級生も多いが、日本のためにもうひとがんばりしようと、会えば話し合うこの頃である。

   文藝春秋「同級生交歓」記事

 私ができるのは、現在の医療を少しでもよくすること。そのために、呼ばれればどこへでも行き、「間違いだらけの医者選び」などのテーマで、一般の方々に話を聞いていただいている。「医者に嫌われる医者」が現在が私のポジションだが、そんな医者が1人でもいていいと思っている。

  

  高知市での講演「間違いだらけの医師選び」と、2011年7月13日付け高知新聞夕刊の紹介記事

 
11/07/27●医療費の最高は高知、最低千葉、医療費地域差はなんと1.6倍  PDF 印刷

  年々膨らむ一方の医療費。これをどのように適正にすべきは、いまのところ名解決策はない。そんななか、厚生労働省は、「医療費の地域差(医療費マップ)」の平成21年度版を公表した。これは、都道府県や市町村別にみた医療費水準の地域差について、とりまとめたもの。

  市町村国民健康保険と後期高齢者医療制度の結果を合わせた、全体の医療費をみると、1人当たり実績医療費は、高知県が最も高く57万2千円で、逆に最も低いのは千葉県で36万3千円だった。2009年度の国民1人当たり医療費の全国平均は44万5千円。最も高かった高知県の最も低い千葉県の36万3千円では、1・6倍の差がある。

 都道府県別でみると、高知に次いで高いのは山口(56万1千円)、広島(55万8千円)など。低い順では、千葉に次いで沖縄(36万9千円)、埼玉(37万円)と続いた。厚労省は「入院費用が高く高齢者が多い地域ほど、医療費も高くなる傾向がある」としている。

 入院費用が高いというのは、その地域で高齢化社会が進んでいる証しでもある。この高齢化社会問題も、いまのところどう解決していくべきか、国には確固たる方針はないようだ。

 

 
11/07/23●現役警官までが逮捕!品川美容外科事件の問題点はどこにあるのか? PDF 印刷

  7月22日、品川美容外科(東京都港区)の医療過誤事件をめぐり、捜査情報を流したとして現役警官が逮捕され、各方面に波紋を呼んでいる。警視庁は、医療過誤事件の捜査資料コピーが病院側に流出していた問題で、捜査1課の現職捜査官が病院側にコピーを渡していた疑いが強まったとして、この日、地方公務員法違反(守秘義務違反)などの容疑で同課特殊犯捜査3係長の白鳥陽一容疑者(58)=千葉県 印西市=を逮捕した。

  そもそも、この事件の発端は、最近、美容整形で人気の脂肪吸引手術にある。この手術に失敗して、品川美容外科の若い医師が逮捕されたのは、今年の4月。堀内容疑者は、21年12月2日、女性(当時70歳)の腹部に「カニューレ」と呼ばれる金属管を挿入して脂肪を吸引した際、腹膜に9カ所の穴を開け、小腸を傷つけるなどして、2日後に死亡させた。これを、警視庁は業務上過失致死と断定したのである。

  脂肪吸引手術というのは、じつはそれほど難しいものではない。しかし、手術である以上、一定の技術と経験が必要だ。平成20年には、熊本院(熊本市)で50代の女性が脂肪吸引を受けた2日後に死亡したことがあり、このときも熊本県警が40代の男性執刀医を書類送検したが、起訴猶予処分となっている。

  私は何度も警告しているが、手術というのは、自分の体を傷つけることである。病巣を取り除くためならやもうえないが、健康な体を、いくら美容のためとはいえ切るのはどうかと思う。いずれにせよ、切る以上、執刀する側の医師がどんな技術と経験を持っているのかは、最低限確かめ、信頼関係のなかで行わないと取り返しがつかないことになる。

 
11/06/20●最近の私の講演を紹介します PDF 印刷 Eメール

 東日本大震災から早3カ月。被災地の復興は遅れ、被災地における医療問題も深刻化しています。医療関係者としては歯がゆい限りですが、私は、長年のテーマである「間違いだらけの医者選び」講演活動を続けております。医者から嫌われる医者になる。これが私のテーマで、このことはとりもなおさず、患者のための医者になるということです。

 以下は、最近の私の講演です。大震災の影響もあって、出席されたみなさんからは、日本の医療に関して以前より突っ込んだ質問が多くなってきました。

◆高知市にて講演
2011年6月17日(金)
時事通信 内外情勢調査会「間違いだらけの医者選び」

◆東京御茶ノ水にて講演
2011年6月9日(木)
クレセル株式会社主催
中央大学駿河台記念館
クレセルマーケティングセミナー 「医療訴訟に負けないための初期対応」

 

 
11/04/25●東日本大震災から1か月半、日本の医療の問題点を考える PDF 印刷

 3月11日の「東日本大震災」から1カ月半が経った。まさに、あっという間の1カ月半だった。すでに春も過ぎ、すぐ初夏のゴールデンうウイークがやってくる。

 そこで、この震災後で浮き彫りになった日本の医療の問題点を、ここで整理してお伝えしたいと思う。あまりに多くの問題が、この大震災で問題化したが、私がとくに問題にしたいのは2点。ひとつは、緊急医療体制の不備、もうひとつは、海外からの医師団の受け入れ問題である。

  まず、緊急医療体制だが、 今回の東日本大震災では、医療救助の遅れが目立った。被災地にある病院から運ばれた患者が、十分なケアを受けられず死亡したり、ライフラインが止まったために災害拠点病院でも患者に対応できなかったりした例が相次いだ。それでも、阪神大震災のときよりはマシという声があるが、その程度では今後が思いやられる。

 そこで私は、阪神大震災のときにも提言したが、日本は一刻も早く「病院船」を持つべきだと考えている。今回は、被災地への陸路が遮断されただけに、海からの救助活動がなによりも重要だった。ところが、それをしても患者を運び込める設備のある病院がなければ、救助も無意味になる。

 こうしたことをカバーできるのが、病院船である。病院船というのは、もともとは戦時に傷病兵を収容・治療するために軍隊が所有したものだったが、国際赤十字活動が確立されるにつれ、国際法上でも軍事的攻撃から保護される船として、現在では多くの国々、各国の海軍が所有している。しかし、日本は島国にもかかわらず、1隻も持っていないのである。 

 続いては、相も変わらず、日本政府は海外からの医師チームを即座に受け入れなかった問題だ。 またもや日本政府は阪神大震災のときと同じように即断できず、救済活動が遅れてしまった。なぜ、一刻を争う事態で、こんなことが起こるのだろうか?

 大震災発生から10日後の3月22日、米誌『タイム』(電子版)は、「日本の官僚機構が救援を遅らせているのか?」というテーマでこう書いた。「日本よりはるかにインフラ整備が遅れている開発途上国でさえ、災害発生から4日もたてば援助物資が被災民の手に届く。だが東北では10万人の自衛隊が救援活動を行っているにもかかわらず、援助物資が届くのに恐ろしいほど時間がかかっている」「日本は入り組んだ官僚機構に問題があり、規制好きな国民性が“合法的な壁”として立ちふさがっている」

 まさに、これは日本の恥である。日本では、日本の医師免許を持っている人間以外は医療活動ができないのだ。しかし、緊急時にそんな規制を持ち出すべきではない。

 今回は、ニュージーランドや中国から「日本に恩返したい」と医療チームが派遣された。しかし、その「恩返し」の思いを日本政府がソデにしたのだ。外務省にいたっては、地震から2週間以上たった3月27日になってやっと、イスラエルから医療支援チームを受け入れると発表した。このイスラエルチームは、29日から被害の大きかった宮城県南三陸町を中心に、避難所などで、お年寄りや乳幼児を診察を始めた。 被災地では二次被災として、インフルエンザやノロウイルスなどの感染症拡大が懸念されていたので、この医療活動は大いに役立った。しかし、結局、日本政府が診療活動を受け入れたのはイスラエルチームだけだった。

 これでは、まさに鎖国と言いようがない。日本は一刻も早く、海外各国との医師免許、医療に関しての整合性を保つ措置を講じるべきだ。

 

 
11/02/25●「間違いだらけの医者選び」講演を続けています。 PDF 印刷

 私の長年のテーマである「間違いだらけの医者選び」講演活動は、おかげさまで10年以上にわたって続いています。この講演のために全国各地に出かけていますが、最近は高齢化が進んだため、お年寄りの数も増え、以前より突っ込んだ質問が多くなってきました。とくに、リタイアを迎える60歳を中心にして、「医者選び」は大きなテーマになっていることを、つくずく感じます。

 もちろん、医者選びより、日ごろから健康に気ををつけ、適度な運動、適度な食事、ストレスのない生活を送るのが、第一です。そうしながら、いざというときに備える。そういうふうにすれば、リタイア後の人生は充実するでしょう。、ただ、医者選びひとつで、いざというときが違うので、「備えあれば憂いなし」と言うように、日ごろから、ご自身のネットワークのなかに「信頼できる医者」「なんでも相談できる医者」を1人確保しておくことは大切です。

 ここでは、最近の私の講演写真を掲載します。

    

(左)2010年10月28日東京六本木国際文化会館にてにて、メディカルサポートサービスセミナー「医療紛争・トラブルとその対策」

(右)2010年11月10日愛知県豊田市豊田市役所にて、時事通信 地方行財政調査会「間違いだらけの医者選び」

   

(左)2010年12月7日 東京両国 大成サービス講演会「間違いだらけの医者選び」

(右)2011年1月31日 岡山県岡山市にて、時事通信 地方行財政調査会「間違いだらけの医者選び」

   

(左)2011年2月25日 静岡県浜松市 時事通信 内外情勢調査会「間違いだらけの医者選び」

(右) 2011年2月23日 東京 富士火災海上保険 「間違いだらけの医者選び」

 

 
11/01/01●夕刊フジに「正月を元気に過ごす6カ状」を寄稿 PDF 印刷

「正月を元気に過ごす6カ状」

第1条、寝正月こそベスト!「不眠は永眠の始まり」

 正月を家で寝ながら過ごすことに罪悪感を持ってはいけない。じつは、これこそが最大の健康法である。日頃4〜5時間睡眠で頑張ってきたサラリーマンには、まず睡眠を十分取ることをお勧めする。よく「寝だめ」と言うが、「食いだめ」はできないが寝だめは意外とできるもの。最近は不眠症が増えているが、不眠が怖いのは寿命を縮めることで、「不眠は永眠の始まり」と考えるべき。ただし、睡眠は長すぎてもよくなく、1日に6.5〜7.5時間の睡眠をとっている人が最も死亡率が低いという研究結果がある。正月を境に、グッスリ深く眠ってスッキリ目覚める生活に変えられればベストだ。

第2条、酒を飲んだら必ず「水の補給」を!

 正月につきものの飲酒。暴飲暴食がよくないのはもちろんだが、アルコール分を体内に入れたら必ず水分を補給すること。とくにビールは利尿作用が強く、喉の乾きを癒すために飲んでも、逆に体内の水分を排出してしまう。たとえば、ビール500mlを飲むと、尿として800mlの水分が体外に出るとされる。二日酔いの原因も水分不足(脱水症状)である。したがって、水分補給は重要で、とくに就寝前にコップ1杯(200ml)は必ず飲むべきだ。

第3条、酒を飲んだら「入浴するな」!

 意外と知られていないが、正月の死因で多いのが入浴中の突然死。入浴直後には脳出血、入浴中には脳貧血や意識障害、入浴後には急性心筋梗塞と脳梗塞が起こりやすく、とくに飲酒後の入浴は危険だ。寒い脱衣場や浴室に入ると血管が収縮するし、身体を洗うなど身体を動かすことにより血圧は急激に上昇する。また、浴槽に入り湯に長くつかっていると血管の拡張が起こり、血圧は急激に下降する。「飲んだら入浴するな」を忘れずに。

第4条、飲んだらセックスは「正常位」で!

 年の初めのセックスを「姫始め」と言って、ハッスルしすぎる向きがある。これは危ない。とくに飲酒後に女性上位のような刺激的な体位でセックスを行うと、突然死の原因になる。男性と女性とではセックスによる血圧の上昇度が異なり、女性の場合は平常血圧から約40ほど上昇するのに対し、男性は平均80ほど上昇する。つまり、 男性の血圧は女性をかなり上回り、これが突然死を招く。飲酒後のセックスは、オーソドックスな正常位にしたい。

第5条、餅が詰まったら「掃除機」を使え!

 正月のニュースでおなじみになった「お餅が喉に詰まって死亡」。じつは、これは意外な方法で防ぐことができる。それは掃除機のチューブを喉に当てて吸引してしまうことである。消防署などでは勧めていないが、じつは意外と効果がある。万が一の場合、知っておくといい。また、餅を食べる前にはお茶や水分を十分に取り、喉を潤して、通りを良くしておくことも忘れずに。

第6条、初詣では「アゴを引いて」!

 寝正月といっても、初詣には出かける人は多い。ところが、せっかくの初詣も人混みに押されて横転し、硬膜下血腫になるなどの例が報告されている。そこで、人混みではアゴを引いて歩くように心がけたい。こうすると身体のバランスがとれ、重心が安定するので、多少押されても平気である。

 
10/11/25●国民医療費、史上最高の34.8兆円 国民1人当たり27万円 PDF 印刷

 厚生労働省が11月24日、国民が1年間に使った医療費の総額を示す国民医療費が2008年度は前年度比2.0%増の34兆8084億円となり、過去最高を更新したと発表した。 これで、国民所得に対する医療費の割合は9.9%と、1割に迫ることになった。

 また、国民1人当たりの医療費は2%増の27万2600円。年齢層別では65歳未満の平均が15万8900円だったのに対し、65歳以上は67万3400円と現役世代の4.2倍にのぼった。75歳以上では83万円となり、なんと5.2倍にもなる。

 日本は少子化で人口が減少に転じたが、逆に高齢化で医療費は増えるばかり。現役世代が高齢者をどこまで支えられるか、この先不透明なところまできてしまったようだ。

 

 医療費が増え続けるのは、高齢者の増加に加え、薬価が高い新薬の開発など医療技術の進歩によって同じ病気でも治療費が多くかかるようになってきたためだ。今回の増加の原因は、がんなどの治療費が0.8ポイント、新しい抗がん剤の開発などを含めた医療技術費が1.5ポイントと、全体を押し上げたことにある。これには、公的保険の適用範囲が新技術に拡大されたことも影響している。

 今後も国民医療費は増え続けるのは間違いなく、厚労省は「10〜25年度に平均で年2.2%程度増える」と分析している。

 以下は、ここ15年の国民医療費の推移を厚労省の資料から抜粋したものだが、このペースでいくと、今年(2010年度)は、国民1人当たりで30万円を超えている可能性がある。

          《国民医療費の推移》

            国民医療費   国民1人当たり

  1994年度  25兆7,908億円  20万6,300円

  2004年度  32兆1,111億円  25万1,500円

  2006年度  33兆1,276億円  25万9,300円

  2008年度 34兆8,084億円   27万2600円

                       【出典】厚生労働省統計情報部「統計要覧」

 

 そこで、政府は、世帯収入に応じて医療費の患者負担に月額の上限を定める仕組みを来年度にも見直す作業に入っている。高所得層の上限を上げて負担を増やし、それを原資に年収 200万円〜300万円の比較的所得の少ない層の負担を軽くする

 つまり、豊かな層から貧しい層に、お金をトリクルダウンさせようというもの。とりあえず年収800万円以上の層の負担を上げる方向というが、これには異論も出ている。いずれにせよ、再来年辺りから、年収1000万円以上の層では上限が10万円程度上がると思われる。

 
10/10/23●医者を増やせば医療崩壊を解決できるのか?文科省が医学部の定員増を決定 PDF 印刷

  10月22日、文部科学省は、来年度(2011年)も医学部の定員を増やすことを決めた。これにより、定員はこれまでで最も多い8930人余りとなる見通しとなった。

 現在、医学部(医学科)は全国に80あり、いずれも1学年100人程度の少人数編成が基本になっている。

 近年、医療崩壊は医師不足が原因という見方から、医学部の定員増が続いている。しかし、医師の養成は、少人数による臨床研修などによらなければできないので、定員増といっても一気にはできるない。また、医学部は卒業までに最短で6年を要すから、現在言われている「医師不足」がすぐにでも解消できるものではない。

 これまで医学部の定員は、1982年の8280人をピークに減り続けてきた、これは、この年に厚生省の医師需給見通しに基づいて定員削減が閣議決定されたからである。当時は「医師過剰」とされ、この政策はその後2007年まで続いて、医学部の定員は7625人まで減少した。

 しかし、2000年代半ばから医療訴訟の増加、地方病院の経営危機、妊婦たらい回し事件などが次々に起こると、医療崩壊は医師不足が原因であるという声が強くなった。

 その結果、2008年から政府は方針転換し、医学部の定員増に踏み切った。2008年はとくに「骨太の方針2008」で、特例措置分が504人も設けられたりした。

 今回もこのような定員増政策を継続させていくことは、評価に価する。しかし、気がかりのは、民主党政権はマニュフェスに「医師の1・5倍増」をうたっているものの、医療崩壊にはほとんど関心を示していないことだ。

 外交の失態や失言で菅内閣は目先の政局にしか目がいかなくなっている。

 

 
10/09/27●東京新聞で「私と息子との闘争」が紹介されました PDF 印刷

 東京新聞のこちら特報部「へこたれない人々」の取材で、母校の慈恵医大と裁判で争ってきた経過を話し、記事になりました。息子が医療過誤にあってから今日までの経緯をとおして、いまの医療現場の問題を訴えました。

 

 
10/09/05●現在、息子と私たち家族の医療訴訟ドキュメントを執筆中 PDF 印刷 Eメール

 この7月15日、東京高裁が私たち親子の請求を棄却して以来、私は、今回の医療訴訟の記録をまとめ、本にしようと執筆を開始した。この本は、2006年3月半ばごろ、左腕や両足に時おり痺れを感じるようになった私の息子・慎太郎の闘病記録であるとともに、私自身の医療過誤告発の記録にするつもりだ。

 いま思えば、息子が初期症状を訴えたときに、もっと早く動いていればと、本当に悔やんでいる。なぜ、私は薄々「危ない」と予感しながら、母校の慈恵医大で脳血管造影検査を受けさせてしまったのか。あの判断ミスさえしなければ、検査中に息子が脳梗塞の発作を起こし、以後、その後遺症から障害者となることもなかっただろう。
 当時、息子は21歳の学生であり、青山学院大学アメリカンフットボールの選手だったが、検査から戻ったときには、まるで別人だった。密室の中で。いったい何があったのか? 息子を検査した母校の医師たちは、果たして適切な判断と処置をしたのか? 親なら誰でもそれを知りたいはずである。

 皮肉なことに、医療過誤事件をテーマに論説や本を書いていてきた私が、この瞬間から、医療過誤の当事者となってしまった。その後、私はカルテなどの証拠保全を申請し、息子の「事故」から1年後には刑事告訴に踏み切った。しかし、これが受理されなかったために民事に切り替え、東京地裁、高裁と2度の裁判を闘った。そうして今年の7月に出た東京高裁の判決は「請求棄却」であった。

 この本のなかで、私は私事を超えて、いまのこの国の医療が直面している問題にも数多く言及した。そうしなければ、今回の私たち家族の闘いは理解してもらえないと思ったからだ。本の執筆はもうそろそろ終わる。出版は年内にできると思うが、ぜひ、多くの方に読んでもらいたいと思っている。

 
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